第66話 こすぷれ(瑠衣)

 漫研で毎年恒例らしいコスプレ大会をすることになった。

 大会と言っても、ただコスプレを楽しむだけなのだが。

 普段から可愛いみんなが、どのように変身するのかがとても楽しみだ。


「まだかにゃあ〜!」


 そう言う瑠衣はすでに準備万端で、『まほなれ』のキャラである『紺條こんじょうカスミ』のコスプレをしている。

 そのキャラは変身時に吸血鬼っぽくなるのも相まって、瑠衣の小悪魔感が留まることを知らずに溢れ出す。


「あ、あの……恥ずかしいんだけど……」

「まあ、ちょっと露出多いよな」

「コスプレなんて初めてだよ〜」


 いつもとは違う三人。

 そんな姿を目に焼き付けようと、瑠衣は三人に近づく。


「にゃはああ〜!! 最高だにゃあ! みんなかわい――」

「はーい、ストップ。お触りは禁止だ」

「え〜!? なんでにゃあ!?」


 朔良におでこを押さえられ、抱きつこうと伸ばした腕が空を掴む。

 だが、そのおかげで朔良の引き締まったお腹を間近で眺めることが出来た。

 それに、視線を移すと美久里の生足と紫乃の二の腕が見える。

 ここは天国だ。間違いない。


「……急に大人しくなったと思ったら、そういうことか……」

「にゃはは〜! 朔良には感謝だにゃ〜!」


 瑠衣のテンションが爆上がりし、美久里と紫乃の顔の温度が急上昇する。

 朔良はゴミを見るような目で瑠衣を見ている。

 瑠衣の変態ぶりを目の当たりにして、氷点下の眼差しになってしまうのだった。


「自重しろよな……」

「これでもかなり抑えてるにゃ! お触りしてないだけましだにゃあ!」


 朔良がコスプレしているキャラは、『西園寺星良さいおんじせいら』。

 変身時の服装はかなり際どく、お腹が出ていて、脚はピッチピチのタイツなのだ。


 美久里は『椎名結衣しいなゆい』。

 変身時の服装はオーソドックスな魔法少女衣装という感じで、全体的にピンク色をしていてひらふわなミニスカートが特徴的だ。


 紫乃は『観月美波みづきみなみ』。

 変身時はくノ一のような格好で、腕とお腹が出ていて、脚には網タイツを穿いている。


 全体的に露出度高めで、なおかつ本物の変態がいるからか……かなり変態的な空間が広がっていた。

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