how to take a sweet time

n.

how to take a sweet time



izw_浮気相手


仕事を終えて彼女のいる家に帰る。彼女の携帯に着信音を響かせ玄関を開けてもらう。待ってましたと言わんばかりの表情だった。如何やらお風呂上がりのようでとても艶めいている。そんな彼女に自分の理性を崩される。そして電気の消灯を合図に始まる行為。耳を塞ぎたくなるほど響く水音。燃えそうなほど紅く染まる彼女の耳。俺の知らない香水の匂い。俺ではない別の誰かの印。そして彼女は細々とした声で言う。航平、と。



✳︎ ✳︎ ✳︎



fkr_媚薬


作業の合間に彼女に紅茶を注ぐ。勿論隠し味を添えて。何事も無いようにお疲れ様と声を掛け温かいティーカップを渡す。疑い無く飲みきった彼女は作業を再開した。パソコンとの闘いを始めて2時間弱。彼女の姿は仮眠室にあった。効果を確認する為に頬を触る。瞬時に紅に染まった。どうやら効果は抜群の様で、触っていた手を退かされた。だが僕は首や腕の上で自分の指を滑らせる。彼女の身体は素直に反応する。そして彼女は言った。隠し味は媚薬だね?と。



✳︎ ✳︎ ✳︎



sgi_目隠


彼女が灰色の袋を抱えて買い物から帰ってきた。今日は月に一度やってくるあれの日らしい。なら仕方ないと諦めていたのにどうにも彼女はその気の様で。食事を終えいつも通り寝室に向かう。アロマの良い匂いが漂い月明かりが僕等を照らす。そんな良い雰囲気を作ったのは彼女。それに対するお返しのつもりで僕なりのいつもとは違う事を提案する。彼女は快く承諾し、その綺麗な瞳を閉じて異世界に向かう。彼女から漏れる声に興奮を覚える。そして僕は言った。僕よりも声が大きいのは貴方じゃないか、と。



✳︎ ✳︎ ✳︎



kwkm_玩具


何となく最近の行為に飽きを感じてきた。彼女を嫌いになった訳では無いがそう何となく。ふとネットショップで検索してみた。これらを使えば彼女も自分ももっと行為を楽しめるのではないだろうか。自分の奥底にあるであろう気持ちを掘り起こす気持ちで。届いたその日に使おうと提案すると彼女の返答は意外なものでとてもノリ気だった。使用してから数分が経ち室内に機械音と彼女の抑えられない声だけが響く。そして俺は彼女に煽りを掛ける。俺以外で感じちゃうんだ?と。



✳︎ ✳︎ ✳︎



kwmr_監禁


昨夜彼女はうちの編集長と呑み明かしたよう。その情報が耳に渡り嫉妬という感情が湧いたので彼女が寝てる間に彼女を回収し手錠を掛けて自分の部屋で放置しておく。目を覚ました彼女は気怠そうに体を起こし状況を理解し始める。ここまでの経緯を話すと彼女は言い訳しだした。自分以外の名前が彼女の口から出てくる事が理解出来ないので彼女の口を自分の口で塞ぐ。時々舌を絡めながら彼女を自分色に染める。そして耳元で囁く。貴女は僕だけのものでしょう?と。



✳︎ ✳︎ ✳︎



ymmt_初夜


彼女と時を重ねて6ヶ月。キス以上を未だしていない。周りからは僕からピュアだから進めないんだよなんて茶化される。すると声の大きい元気な最年長が教えてくれた。進むならお前が豹変しろと。その日の晩何とか雰囲気作って寝室へ導く。彼に言われた様に僕なりに口調や態度を変えてみる。彼女の目には涙が浮かんだ。それを見てはいつもの僕に戻ってしまう。ごめんねと言いかけた時彼女は言った。優しい祥彰を感じたい、と。



✳︎ ✳︎ ✳︎



wtnb_夜這


最近オフィス泊が続いてた。久しぶりに彼女の待つ家に帰宅する。甘えたいなあなんて考えていたが時計は1時を指していて彼女は寝室で規則正しい寝息を立てていた。1人で食事を終え寝る準備をして彼女の隣で同じ布団を被る。自分があげた香水の匂いが鼻を通る。彼女の方を向くと恰も誘っているかの様に無防備な姿だった。背中に指を滑らせても反応はない。疾しい考えが過ぎる。だが脳内の天使は彼女に失礼だと囁いた。素直に従い自分も夢の世界へ行く。彼女の言った航平の意気地なし、なんて言葉を聞く前に。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

how to take a sweet time n. @black__sweet__

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ