第41話

 いますぐに行動できるのは、ノッポだけだ。首を折るようにしてポケットから取り出したスマホでなにかを検索している。

 アイコは金太の描いた汚いスケッチを見ながら、手順を考えている。

「金太、11月30日にT桟橋からロサンゼルスに出航する貨物船があっと。ロスまでは約10日間で行くけん、金太が気にしとったクリスマスには充分間に合うト」

「そうか。じゃあ、その日を目標にして脱出作戦に取りかかろう」

 ちからを入れて金太がいったとき、

「なあ、金太、さっき向こうば着いたらミズーリのおばさんに頼むっていってたけど、事前ば手紙を送ったらどげんね。いま調べたら、航空郵便やったらやはり10日くらいで届くけん、ジョージを乗せる貨物船が決まったら郵送したらよか」

 ノッポがナイスアイデアを提案した。

「それはいい。デーモン、ノッポの意見をどう思う?」

「いいと思う。ちょっとジョージに訊いてみよう」

 そういったデーモンはすぐにジョージと話をしはじめた。

 するとデーモンもポケットからスマホを取り出し、懸命になにかを打ち込んでいる。

「金太、これ」

 そういって金太に見せたスマホの画面には、ミズーリ州のおばさんらしき住所が映っていた。

「おばさんの住所か? だったら、デーモンおばさんに手紙を送ってくれないか? オレたち英語の手紙が書けないから」

「いいよ。目的の貨物船が決まったらすぐに送れるようにしとく」

「よし、それじゃあ、ジョージの脱出作戦の行動に移ります。みんなでちからを合わせてなんとか無事帰国させてあげたいと思いますから、よろしく」

 金太が右の手のひらを差し出すと、次々にメンバーがそれに重ね、そして大きな声でときの声を上げた。

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