88話 成果

『To The World Roadへようこそ』


 色々と片付けてから再ログイン。

 やる事は決まってるので、これから一気に強行軍だ。


 レベリングの単純作業ってどうもきついとか、モチベーションが上がらないとかよく言われるけど、私は違う。そんじょそこらのへなちょこユーザーと比べられると困る。

 そういうわけでレベルを上げるのと並行して硝石稼ぎを進める。目標個数は20個。最低でもレベル1を上げるまで洞窟内にこもって戦闘をし続けるのは決定だ。

 HP下級ポーションが多少足りない気もするが、無くなるものは金と経験と時間だ。その分に関しては取り戻せばいいだけだから死に戻りしてもなんら問題はない。

 銃撃に関しては今後使うであろう量を考えて一切行わない。

 鉄鉱石、鉛鉱石、銅鉱石は最低でも延べ棒10本分は確保予定。


「さーて……やったろうかな」


 再ログイン場所のベンチから立ち上がりパイプライフルを肩に担ぎながらMREで満腹度を回復、ついでにショップに行ってMP下級ポーションを売却し、エリアチェンジ代と煙草代を確保。

 ショップから出て煙草を咥えて火を付ける。

 勿論煙草と言っても何かしらの害が出るわけでもなく、匂いが出たり場所がばれたりとかいろいろなデメリットはない。所謂フレーバーアイテムでありRPとか雰囲気で使われるのが基本になる。

 銃を持ったイケメン美人が煙草吸ってるって絵だけでカッコいいじゃん?


「ふいー……さーて、楽しい楽しいレベリングと行こうか」


 ぷはぁっと煙草の紫煙を吐き出してから一息、鉱床とロックラック、周辺モンスター絶滅させてやんよ。



 ……一つ忘れていた事があった、狩りと収集をする前にゴリマッチョとガサツエルフの所に行くのを忘れていた。

 武器と防具を揃えてからやった方が確実に効率は上がっただろうけど、勢いって大事だし、しょうがないね。


 北に行けばロックラックとコボルトをダンジョンでボコり続け。

 東に行けば猪をボコりながら硫黄と銅を集め。

 南に行けば蟲をボコりながら錫を集め。

 西に行けば犬をボコりながら鉛を集め。

 街に戻れば鍛冶ギルドで鬼の形相で延べ棒を叩き作り続け。

 延べ棒を作れればゼイテに戻ってレベリング。

 コボルトと泥試合を進めて殴り殴られ雨あられ。

 たまに死ねばすぐに向かって殴り返す。


 あっちへ行ってはボコって採掘。

 こっちへ行っては手当たり次第に殴りまわる。

 

 タバコを吹かして銃剣を振るって、とにかく殴って斬って張り倒す。

 そりゃあもう、とにかく戦って集めて死に戻ったらその分取り返して。

 悪鬼の如く、手当たり次第に一つの目標に突き進む。




「あー、疲れたぁ!」


 ゼイテの一角で叫びをあげる。

 ひたすらに戦闘を繰り返し、採取を続けてリアルで数時間、再ログインした時が19時だったので5時間ぶっ続け、ノンストップで戦いまくるってどんだけ戦闘狂なんだよ、どこぞの野菜人かよ。


「ほんと、私優秀過ぎて褒めてもらいたいわ!」




名前:アカメ 種族:ドラゴニアン


職業:ガンナー

基本Lv:20(5UP)職業Lv:15

HP:19/41(5UP) MP:12/18(2UP) 

STR:10(2UP) AGI:16(1UP) VIT:2 

DEX:17(2UP) INT:2  RES:2

SP:残29


【スキル1】

二度撃ちLv1 装填Lv5(MAX) 調合Lv1 カスタマイズLv2 銃剣Lv3 

銃格闘Lv1 ガンスミスLv3 トラッカーLv1


【職業Lv外】

幽霊退治Lv1


【スキル2】

木工Lv5 鍛冶Lv6(1UP)錬金Lv4 裁縫Lv3 細工Lv3

伐採Lv4 採掘Lv7(2UP)採取Lv2 料理Lv3(2UP)



【装備】

武器:パイプライフル(未装填)

防具:キャットスーツ

装飾:コート ポーチ付きベルト

その他:松明×2 くず鉄玉×9 黒色火薬×198g

未装備:鳳仙花 回転式拳銃 自動式拳銃


【持ち物】

銃身(M2ラビット) 鉄パイプ(質2)

鋸 鍛冶ハンマー 錬金窯 伐採斧 フライパン

採掘つるはし 縫い針 クラフトツール 火打石

鉄鉱石×2 銅鉱石×1 鉛延べ棒×11 くず鉄×4 

硫黄×25 硝石×20 

鉄延べ棒×23 銅延べ棒×20 くず鉄延べ棒×65 錫延べ棒×4

ヨモギ×110 ミント×114 動物の皮×62 動物肉×18

ゴミ×158 塩×34g ガラス塊×1㎏ バケツ×2 

金属薬莢×9 アルコール×0.5ℓ タバコ×2本


所持金:3,750Z イベントP:10

状態:異常なし 満腹度9%




 ポーションとレーションは全て使い潰し、満腹度回復のために動物肉を塩焼きにして何個か食べたのもあって海水を塩変換。

 銃剣が3度程へしおれたのもあったので紙やにかわなどの細々した物はしばらく使わないので売却。製材関係も銃床が出来上がっているので今更必要はないので全て売却。

 転移やら死に戻りやらで消費したり増やしたりしながらなんとかぎりぎり転移代は残っているものの、回復アイテム代ですべて吹っ飛んでいくだろう。

 とにかく不要アイテムの売却と目標であったものを全て必要個数分、ついでにその際に売られた喧嘩を全て買い、モンスターと言うモンスターをなぎ倒しまくる。

 人間やろうと思えばかなり出来るものだな。ゲーム内時間で言えば20時間掛かっただけあるよ。


「しばらくレベリングしたくねえなあ……」


 ふいーっと煙草をふかしながらベンチに座りつつアイテム欄を眺める。

 意外と頑張れたんじゃないの、私。めっちゃ優秀。


「目標だったものは全部手に入れれたし、硝石溶液は後で作るとして、火薬量も良し、雷管をすぐ作れる準備だけはしておくかねぇ」


 ベンチにだらーっと座りながら煙草を吹かす。煙草とは言うが、ハーブとか香草とかを使っているので良い匂いがする。ココアシガレットとかアロマみたいなものさ。


「ほんと疲れた……銃剣3本も折れるし、数回の死に戻りでここまでやってこれたから良かったわ」


 とは言えさらにここから材料を加工していくっていう作業が残っているので、まだまだ先は長いわけだけど。ああそういえば足りなくなった接続パーツとかも作らないと行けないのか……やだ、まだやる事いっぱいあるじゃん。

 どうせ明日も朝からやれるし、日付も変わっているわけだけど、寝る前にダンジョンアタックの準備を整えた上で雷管ラインまで一直線よ。


「って言うか時間的にさっさとゴリマッチョとガサツエルフの所にいかないとあいつら寝始めるんじゃないかな」


 思い切り休みの私と違って他の奴らは普通に平日になるわけだしなあ。

 とは言え、まだまだやる事は多い。


「待ってろよ、水銀」

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