第1話ある日

両手で段ボールを抱える、三十代後半の男性が歩いていた。




その顔は、困った表情をしていた…


「参ったな、嫁になんて言えばいいんだろ…


しかしなー…」




本当に困っていた、でも時折段ボールを覗いては笑顔になっていた、




確かに、厄介事を引き受けてしまったが、満更でもない様子だった。






この男性は、


深海洋一、


市内の美術館で働いている。






今日の朝、美術館に行くと他の従業員達が騒いでいた。




「あ、館長…お早うございます。






大変なんですよ、朝来たら入口に段ボールが置いてあって。」






「お早う、まだ副館長なんだけどな…」


洋一は、騒ぎの真ん中にある段ボールを覗いて見た。

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