第223話『ウフフ( ´艸`)とニカカ(*^曲^*)』

魔法少女マヂカ・223


『ウフフ( ´艸`)とニカカ(*^曲^*)』語り手:ノンコ    






 笑う時の様子をニコっていうよね。ニカっていうのもある。


 その違いは、口が開いてるかどうか。


 絵文字で書くとニコ(o^-^o)っとニカ(*^◇^*)って感じです。


 つまりね、口が開いてるかどうかやね。




 平成に生まれて、令和で高校生やってるあたしらはニカ(*^◇^*)っと笑う方が印象がええ。


 ニコ(o^-^o)っていうのは銀行の窓口のオネエサンとか、畏れ多いけど皇族のお姫さまとか。


 ニコ(o^-^o)っでは弱いと感じる。どないかすると「愛想笑い」はまだええほうで「目が笑ってない」と非難される。


 アイドルは絶対ニカ(*^◇^*)っと笑わならあかん。どないかするとニカカカ(*^曲^*)いう感じで歯ぁむき出しで笑わんと好印象を持たれへん。われらが霧子は(*^◇^*)か(*^曲^*)なんですわ。


 ところが、1923年の大正時代は、笑うは、こんな感じ( ´艸`)。


 手で口を押えて「ウフフ」と控えめに笑う。顔文字やさかい、うまいこと書かれへんけど、ハンカチとかを片手で持って口を押えて「ウフフ」と笑う。


 つまりね、大正時代は、歯を見せるどころか、口を開けて笑うのはメッチャ無作法。


 まして、震災後の奉仕活動で救援物資を配るのに笑顔はアカンのです。


 人が困っている時に笑顔とはなにごとかあ! と、怒られるんです。


 マッキントッシュ神父も、日本に来て勉強しはったんやね。


「はい、普段はアルカイックスマイルでいいんです。けどね、アクシデント、災害が起こった時などは、笑うダメです。ヘラヘラ笑う、不謹慎、人寄ってきません『人の災難笑う、何ごとかヾ(*`Д´*)ノ!』になります」




「わたくしたち、知らないうちに霧子さんに影響されたみたいで……」




 走り終わった徳川さんらが苦笑い。


「わたしのせい……かもね(-_-;)」


 霧子が凹む。


「ううん、わたくしたちはいいんです。学校もクラスも明るくていい雰囲気です。学校は外国人の先生や進歩的な先生方もいらっしゃって、笑顔でいることは、とてもいいことですっておっしゃるしね」


「そう、笑顔はいいことよヽ(#`Д´#)ノ!」


 ブリンダがこぶしを握る。


「震災で、みんな困ったり落ち込んだりでしょ!? お互い笑顔でいれば元気も出るってもんじゃない! ねえ、神父さま!」


「ミス・ブリンダ。その通りなんですが、郷に入れば郷に従えなんですよ」


「それでね、ご奉仕の前に体力を使って、笑顔を消しておこうということなのですよ」


「「「うんうん」」」


 学習院が揃って頷きやる。


「でもさ」


 マヂカが指を立てる。


「上野公園でボランティーアやったときは笑顔でやってなかった?」


 マヂカはずっと昔から魔法少女をやってて、困った時は、まず笑顔いう感じやねんやろなあ。


「おっしゃる通りなんでしょうけど、学習院の人たちは、すぐにニカ(*^◇^*)かニカカ(*^曲^*)になってしまいます」


 アハハハハ(*^曲^*)(*^曲^*)(*^曲^*)(*^曲^*)(*^曲^*)!


 あ、なるほど、みんな揃ってニカカや。


 霧子の影響恐るべしや。


 みんなで、教会の周りを走って、ニカカ笑いを封じたのでありました(^_^;)。


 


 

※ 主な登場人物


渡辺真智香(マヂカ)   魔法少女 2年B組 調理研 特務師団隊員

要海友里(ユリ)     魔法少女候補生 2年B組 調理研 特務師団隊員

藤本清美(キヨミ)    魔法少女候補生 2年B組 調理研 特務師団隊員 

野々村典子(ノンコ)   魔法少女候補生 2年B組 調理研 特務師団隊員

安倍晴美         日暮里高校講師 担任代行 調理研顧問 特務師団隊長

来栖種次         陸上自衛隊特務師団司令

渡辺綾香(ケルベロス)  魔王の秘書 東池袋に真智香の姉として済むようになって綾香を名乗る

ブリンダ・マクギャバン  魔法少女(アメリカ) 千駄木女学院2年 特務師団隊員

ガーゴイル        ブリンダの使い魔


※ この章の登場人物


高坂霧子       原宿にある高坂侯爵家の娘 

春日         高坂家のメイド長

田中         高坂家の執事長

虎沢クマ       霧子お付きのメイド

松本         高坂家の運転手 

新畑         インバネスの男

箕作健人       請願巡査

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