第15話:GUARDIAN HERO

200 第15話開始時点までの主要登場人物紹介



・ハーク

本名:ハーキュリース=ヴァン=アルトリーリア=クルーガー

種族:ウッドエルフ

性別:男

身長:153cm

体重:49kg

主な戦闘スタイル:2本の刀を状況に応じて使い分ける。魔法はあくまでも補助に使用。


概要:この物語の主人公。日本国の戦国末期から江戸初期までを齢60を超えるまでに生き抜き、日ノ本一とまで称された大剣豪。その魂が、一度死亡したエルフの少年の肉体に宿る形で生き永らえている。前世の記憶はしっかりと残っているが、名前のみを愛刀の為に犠牲にしており、思い出すことが出来なくなっている。

 容姿端麗、金髪碧眼の美少年。肉体年齢は60歳程度と、奇しくも前世で死亡した時点の年齢と同程度だが、エルフは非常に長寿な種族であり成長も遅いので、外見年齢はヒト族に換算すると12~3歳程度である。

 当初は前世から培った圧倒的攻撃力を持つ刀技のみを武器に戦い抜いていたが、後にこの世界特有の技術である魔法の有用性に気付いたことから、周囲の奨めもあって古都ソーディアンの冒険者ギルド第一寄宿学校へ仲間達と共に入学することとなる。そこで各種属性魔法を修めたことで、ある程度の遠距離戦にも対応できるほどの万能性も手に入れた。ただし、防御能力は装備品で補ってもまだまだ高いとは言えず、相変わらずの弱点である。

 性格は柔軟且つ奇抜。仲間や一度気に入った相手への対応はかなり甘いというのに、ある一線を越えた相手には一片の容赦も無い苛烈さを見せる。一方で強固な信念も持ち合わせており、折れる、怯む、諦める、といったことは有り得ない。

 前世では最強を目指すことと名を売ることは同義であり、己でも自覚するほどに生き急いでいた。しかし、今世では己の剣の理合を極める事のみを目指し、最強の地位や名声には固執してはいなかった。相棒である虎丸と共に生き、美しき古都ソーディアンの街で学問と修練に精を出し、冒険者にして学生の身分を謳歌する中、体重が半年の内に10キログラム増え、現在も増加中。無論、太ったワケではなく、筋肉がついてのことである。精神の中身が変わったことで食事量も倍になり、室内に籠るのも好まない故に肌の色が日焼けによって多少変化し、一見して常なるウッドエルフ族の少年とは見た目がかけ離れつつある。

 ゲルトリウス元伯爵が引き起こした騒動により半年間慣れ親しんだ古都ソーディアンを離れねばならなくなった。その際、大切な仲間にして遂に一番弟子とすら認めたシンとの別離を契機に、彼が偉大なる師と胸を張って誇れるような人物への栄達を決意。

 ハークと虎丸の、未来永劫にまで語り継がれる稀代の英雄譚はここより始まる。



・虎丸

種族:ビャッコ(精霊獣)

性別:なし(精霊獣になった際に性別の概念が消えた。元々はメス)

体長:5m38cm(精霊獣に進化した際に縮んだ)

体重:200~520kg(任意で変更可能)

主な戦闘スタイル:スピード特化のかく乱戦法。一撃離脱。


概要:ハークの大切な相棒。彼の父方の家系を3代前から支え、守護している。当初はハークの元の人格と現在の人格を同一視していた節も視られたが、今では独立した一個人として、そして4代目の主であるとして認識している。元々寿命の長い種族であったが、精霊獣『ビャッコ』へと進化した際に、睡眠不要、食事不要、そして寿命の無い種へと生まれ変わった。

 ハークと共に生き、その身を守ることを至上命題とする。故にそれ以外の行動は有り体に言ってしまうと、ハークが悲しむから、で行っているに過ぎない。無論、シアなどに対しては仲間意識もしっかりと持ってはいるのだが、その精神構造、及び思考基準は人間種とは多少異なる。

 戦闘に於いてはハークの指揮するパーティー内でのまごう事無き最大戦力。最大攻撃力に関してだけはハークに追い越されたものの、総合戦闘力で考えればまだまだ圧倒的である。更に索敵や高速移動などの役割もこなせる上に、『念話』のSKILLによって敵の眼前であっても構わず作戦の立案や相談、連絡を行うことも可能。また、ハークの修練に本気で付き合っているが故か、新しいSKILLをハークよりも先に生み出すなど、主を見習ってか更なる成長を見せている。



・シア

本名:スウェシア

種族:ジャイアントハーフ

性別:女

身長:211cm

体重:85kg

BWH:130・89・122

主な戦闘スタイル:ゴリ押し。


概要:いつか最強にして最高の剣を造ることを夢見る、古都ソーディアン出身の鍛冶職人。年齢はもうすぐ二十歳。たった一人でその夢に挑み続け、腕を磨いてきた。元々は孤児であり、現在の古都で最も有名な鍛冶職人モンド=トヴァリが若い頃に憧れた職人に引き取られ、その知識と腕を吸収。先代が故人となった後に店を引き継いだ。しかし、女性であったこと、身体が大きかったことから『オーガキッズ』と謂れ無き中傷に曝され、店は常に閑古鳥であった。

 元々、これを予期していたシアは生来の腕っぷしの強さを活かし、兼業で冒険者稼業を始め、ギルド寄宿学校にも入った。ここでギルド長ジョゼフと知り合い、直弟子と師匠のような関係を築くに至る。しかし、自身の出自と種族を気にしてか、ハークの仲間となるまではずっとソロでのみ活動をしていた。

 実は不器用であり、ハークやモンドに古都で一二を争う程との評価を受ける鍛冶職人としての腕全ては凄まじい鍛錬と積み重ねた努力によるものである。その為、料理などの鍛冶仕事と戦闘以外に関してはからっきし。その分、戦いに於いては虎丸、ハークに次ぐ実力を有し、非常に頼りにされている。冒険者としての知識や経験も豊富で面倒見も良く、ハーク不在時にはパーティーの指揮を任されることが多い。

 ハークの刀『斬魔刀』を、彼の指導の元、最終的にはモンドと共に造り上げたこの世界に於ける刀製作の第一人者。しかし、それで満足することなく、『斬魔刀』を更に超える刀を打ち上げることを目標に、自身の店の管理をモンドに任せ、ハーク達の旅路に同行する。

 巨人族の血を引くため超が付く大柄ではあるがプロポーションは抜群。髪は王国では珍しい栗色で、瞳も同色。健康的な浅黒い肌を持ち、真面目で面倒見の良い性格も含めて実はハークの好みに最も近い女性。



・ヴィラデル

本名:ヴィラデルディーチェ=ヴィラル=トルファン=ヴェアトリクス

種族:砂漠エルフ

性別:女

身長:188cm

体重:秘密。

BWH:111・70・113

主な戦闘スタイル:魔法主体だが、ある程度の近接戦闘もこなせる。


概要:褐色肌に金髪碧眼、更に目立つ程度の身長とグラマラスな肢体を持つ派手な女性。年齢は400歳近くであるが、外見年齢はヒト基準で20代後半。何事にもオトナな女性として振舞うことが多く、自身の魅力にて男を利用することも厭わない。同性からすれば唾棄すべき存在だが、その美しさ故に嫉妬の対象でもある。

 実は前世のハークと同じ、最強になるという夢を抱いた言わば同志。今世に目覚めたばかりのハークを恫喝するという最悪の出会い方をしたが為に、長い間、ハークからは明確に敵認定されていたが、和解した今でも警戒感は完全には拭えていない。アチューキ=コーノという『ユニークスキル所持者』に命を狙われた際、そのコーノを破ったハークの強さを、今の自分に最も足りないものとして取り込むべく彼に近付いていく。当初は全くの袖にしていたハークであったが、ヴィラデルの指導によって数々の魔法を習得出来た借りを返す為に何度かの直接指導を行っている。元々、自身の剣戟の型が完成してしまっていたこともあり、期待していた近接戦闘能力向上は中々見られず、モーデル王国辺境ワレンシュタイン領領都オルレオンに向かうハークを先回りして、現地で待ち構えている。



・テルセウス

本名:アルティナ=フェイク=バレソン=ディーナ=モーデル

種族:ヒューマン

性別:女

身長:160cm

体重:言いません。

BWH:言うワケ無いじゃあないですか。

主な戦闘スタイル:魔法主体だったが、ある程度の接近戦も臨むところ。


概要:モーデル王国第二王女にして王位継承権所持者。身元を隠す為に敢えて男性冒険者に扮している。最近、言葉遣いも漸く板についてきた。年齢は14歳。髪は金髪で瞳はブルー。母は王国貴族出身で第二王妃。帝国の、アレサンドロを使った奸計を早い段階で見破った才女で、祖父にして先王ゼーラトゥースの才覚を受け継いだと噂されるが、まだまだお子様である。第一王子アレス陣営からの暗殺の危険から逃れるために、古都ソーディアンの祖父のもとに身を寄せた末にハークと知り合い、後に仲間となる。

 本当は王位を継ぐことに興味は無く、その為の勉強や準備が不足していた。特に上に立つ者としてのレベルに達しておらず、まずは地力をつけようとギルド寄宿学校に入学した。実に順調であったのだが、ゲルトリウス元伯爵の謀反によりご破算となり、ハーク達と共に辺境領ワレンシュタインが領都オルレオンに向かうことになる。

 ハークには何度も命を助けられた上に、刀の技術に関して指導も受けており、尊敬の念に堪えないが、本人としては恋愛感情にまで達しているかの自覚はまだ無く、自身の護衛の為にハーク達にまで古都ソーディアンを離れさせた事に関しては責任も感じている。



・アルテオ

本名:リィズ=オルレオン=ワレンシュタイン

種族:ヒューマン

性別:女

身長:172cm

体重:斬られたいのか?

BWH:どうやら命が要らないようだな。

主な戦闘スタイル:長巻のリーチを活かした、しなやかなヒット&アウェイ。


概要:辺境伯ランバート=ワレンシュタインの息女。15歳。幼いころからアルティナの従者を務める幼馴染。アルティナより1つ年上で二人の間には姉妹のような絆がある。赤い髪色と瞳を持ち、年齢よりも大人びた外見。しかし、内面はテルセウスことアルティナと大差ない。

 ワレンシュタイン家は『親愛と信頼で王を継ぐべき人間を支える』という家訓が有り、それを実践する人間のみが家督を継ぐ権利を得る。故にリィズこそ辺境領ワレンシュタインを受け継ぐ人間であり、同家に仕える者達全てにとっての期待の星。優秀な兄ロッシュフォードは後年、彼女が家督を継いだ時の補佐に着くことが既に決定しているが、その家族仲は非常に、いや、良過ぎるぐらいに良い。父であるランバート=グラン=ワレンシュタインは武の英雄であり、事戦いに関しては天才であるが、リィズも多分にその才能を受け継いでいる。

 ハークには刀の修練を指導して貰っていることからも尊敬の念を抱いてはいるが、恋愛感情にはまだ程遠い。



・シン

種族:ヒューマン

性別:男

身長:178cm

体重:78kg

主な戦闘スタイル:攻防一体。


概要:バアル帝国の侵略によって、国も、故郷も、帰る家も何もかも全てを失った青年。世を儚み、復讐に身を捧げても仕様の無い境遇であったが、そんな事よりも故郷からの仲間を守ることを選択した。先王ゼーラトゥースやハークを始め、様々な周囲の人々の助けを借りて、サイデ村を始め現在の生活基盤全てを取り戻した。とりわけハークには直接的な助力を何度も得ていることもあり、深い感謝の念を抱いている。年齢は17歳になったばかり。

 シアに次いでハークの仲間となり、ギルド寄宿学校にも入学、共に日々を研鑽し合いながらも、刀の技術に於いてハークに師事する。真面目な熱血漢且つ素直な努力家でハークとの性格の相性は非常に良く、良き友人関係を築いていた。それもあってか特別な才能を持っていないにも拘らず、ハークが開発し生み出したSKILL、奥義・『大日輪』の習得に成功し、遂に彼の一番弟子と認められるに至る。

 新しい故郷であるサイデ村を守らねばならない為、当初はハークの旅路に同行を申し入れたが、その後彼に諭されて自身の原点を思い出し、同行を断念。古都ソーディアンに残ること決意する。パーティーメンバーを外れる事となったが、その心はハーク達と常に共にあり、寄宿学校の主席卒業を目指す。



・ジョゼフ

本名:ジョゼフ=オルデルステイン

種族:ヒューマン

性別:男

身長:182cm

体重:89kg

主な戦闘スタイル:ゴリ押し。


概要:古都ソーディアンにある冒険者ギルドのモーデル王国本部を束ねるギルドマスター。本部長とも言える立場にあるが、ギルド全体の意思統括を行える立場では無い。非常に面倒見が良く、細かい事には拘らない性格で、自らが直接指導した冒険者達も多いことから彼を慕う者は非常に多い。シアの師匠筋に当たる人物。現役を退いた今でも修練を怠ることの無い、戦うギルド長。ハークとは中の精神年齢が近く、指導者の経験など共通事項が多い所為か話が合う。共に尊敬し合う関係であり、一度、奉納試合と称して本気での模擬戦を行ったこともある。



・ゼーラトゥース=ノウラ=バレリア=リュクセイ=モーデル

 ハーク達が現在居る国家、モーデル王国の前国王にして古都ソーディアンの御領主。2度も王国を救い、平和を齎したことから国民からの信頼は絶大。我慢強く、思慮深く、身内や国民に対しても愛情深いが愛孫アルティナに向ける愛情は人一倍。清濁併せ吞むことも辞さないが、その行動にはいつも国や為政者としての利益優先の下に隠した人の良さが滲み出る。



・ラウム

 ゼーラトゥース自身によって発掘、育て上げられた者の一人。盗賊団の長だった過去があり、その頃に培った魔法技能と臨機応変さで、ゼーラトゥースの側近を見事に務めあげている。ゼーラトゥースがまだ国王だった時代から傍に仕えており、彼への忠義は人一倍。主からの信頼も厚く、任されている仕事は非常に多岐に渡る。直接的な配下は情報戦に長けており、ハークやヴィラデルの様な実力者であっても居場所を完全には掴ませない程のプロ集団。



・ユナ

 サイデ村の巫女。年齢は数えで6歳。ハークと同じ『魔獣使いビーストテイマー』だが、従魔は使役しているというよりも育て上げる関係性である魔蟲グレイトシルクワーム。生産する魔糸、ひいては魔布によりサイデ村の経済活動の一翼を担う。

 ハークに助けられて今生きているという認識を持っており、最も育ちが早く、希少型である日毬ヒマリはその精神を、グレイトシルクワームの特殊能力でもある記憶の同調能力により色濃く引き継いでいる。



・モンド=トヴァリ

 古都ソーディアン一の鍛冶職人とも称される街の元重鎮にて顔役。古都の武具鍛冶職人の未来のために街を牛耳ろうと清濁硬軟の手を尽くしていたが、ハークのカタナを見て大いなる可能性を見い出し改心。現在は古都ソーディアンの鍛冶職人街をカタナの一大生産地として発展させようと尽力している。普段は下品なことも平気で言うひょうきんな好々爺だが、鍛冶仕事になると途端に厳しく人が変わる。大事なことを2度言う癖がある。シアがハークと共に旅立つことを決意したため、彼女の店舗の管理を請け負った。

 ハークの大太刀『斬魔刀』の製作にも最終的に関わった人物。王都にも支店があり、息子夫婦が立派に勤めあげているが、この街の鍛冶職人街の未来も明るい見通しが開け、刀製作技術継承の意味でも一度呼び戻すことを考えている。孫もいるがまだまだ幼い。



・ズィモット兄弟

本名:エラン&エレン

 元『四ツ首』ソーディアン支部に所属していた腕力自慢のゴロツキ。殺し屋ではなく、裏稼業に従事していたのも借金の返済の為仕方なくであった。ハークの温情により生き延びることが出来、紆余曲折の末にサイデ村の住民となる。元々冒険者を目指していたこともあり、レベルも20台半ばで、後にシンとパーティーを組んでソーディアン所属の冒険者となる。シンは身元引受人代わりでもある。

 兄弟と名乗っているはいるが、実は血縁関係の無い義兄弟。その割には巨漢な背丈と体つきばかりではなく顔もそっくり。口髭が兄で顎鬚がエレン。爵位持ちでもないのでズィモットとは名乗っているだけである。騙されやすく、思慮が足りないが根は善人。



・『松葉簪マツバカンザシ』のジーナ、リード、ケフィティア

 古都ソーディアンを拠点に頂く中堅冒険者パーティー。ジョゼフから直接、先王からの依頼でもあるヒュージドラゴン捜索の任を請ける。ジーナはとある商家出身、リードとケフィティアは同じ年頃の従業員で元々仲が良かった。3人共、ギルド寄宿学校の卒業者であり、リードに至ってはジョゼフの直接指導を何度も受けた弟子的な立場。それ故、ジョゼフの言葉には逆らえない、というより逆らう意思が薄い。

 所属は相変わらずの古都ソーディアン冒険者ギルドであるが、ジョゼフから依頼された古都を襲撃したヒュージドラゴンの足取り調査を未だに行っていて、現在はかなりの遠方にまで足を延ばしている。



・エタンニ=ニイルセン

 ギルドの魔物学術調査員の女性。瓶底メガネに常に季節をガン無視した野暮ったい恰好をしている。魔物の専門家で知識はあるが、完全なオタク気質で、空気を読まない、相手の感情を考えない発言が多く、ギルド長ジョゼフにも問題視されている。ただし、仕事には熱心でギルド寄宿学校教師としての思い入れも強く、生徒の卒業などでは必ず大泣きするのが通例。



・アルゴス=ベクター=ドレイヴン

 モーデル王国元宰相。代々宰相、参謀、近衛騎士団長などを勤め上げる名門一族出身。先祖の中には研究者として高名な人物までいる。一応、開祖とされる人物はモーデル王国初代宮廷筆頭魔術師。モーデル王国がエルフ族の里、森都アルトリーリアと同盟を結び、同役職がエルフ族のほぼ独占となる前の話である。

 鉄面皮で知られた人物で、王宮内では畏怖されつつも尊敬を集めている。



・レイルウォード=ウィル=ロンダイト

 モーデル王国第3軍軍団長将軍。3人の息子がおり、互いに切磋琢磨させることで次代の将軍に相応しい人材へと育てようとしている。長男のロウシェンはやや傲慢で思慮や配慮に欠け、次男のロジェットは頭は回るのだが率先して自らが考え動くタイプではなく、三男のロンは将器を持ってはいるものの心優しく果たして非情な決断も下すことの出来る人物に成れるかどうかと、もう随分と長い期間悩み続けてきていた。しかし、ここに来て長男ロウシェンの人格に改善の兆しが見られ、次代の選択は更なる難問へと移行しつつある。



・ランバート=グラン=ワレンシュタイン

 辺境領ワレンシュタイン現領主にして名家ワレンシュタイン現当主。子煩悩であり、家族との仲は最強。長女リィズには滅法弱く、ほぼ言いなりと周囲には見られている。無論、本人は否定。レベル45王国最強の『騎士ナイト』系最強クラス『英雄騎士ピース・キーパー』。現在44歳。



・ロッシュフォード=ワレンシュタイン

 ランバートが長子にして長男。現在22歳。文武両道の孝行息子と大評判。レベル35の『騎士ナイト』。家族弟妹を全て大切にするがリィズは特別。厳しくも温かく見守るスタンスで、リィズをして『父親より父親らしい』と言われたこともある。家訓によりリィズがワレンシュタイン家を継ぐことがほぼ決定しており、彼女を死ぬ気で支える覚悟は既に出来ている。



・ハルフォード=シフォン=リュクセイ=モーデル1世

 偉大なる『英雄王』。モーデル王国初代国王。約300年前に生きた故人。当時、群雄割拠であった諸国を纏め上げ、一大国家を形成した。その文化的影響は凄まじく、モーデル王国安定後に西側大陸全土すらも安定を見せた。



・『赤髭卿』

 『初代ウィンベル卿』『師父』或いは『国父』などと呼ばれ、晩年には加齢による白髪白髭化から他国に『白髭卿』と呼ばれたこともある。初代モーデル王国国王を支え、その建国に大きく尽力した。彼が改革、立案した事案は多岐に渡り、特に教育と流通への功績は計り知れない。

 かなり長寿な人物で、初代国王ハルフォードよりも年上であったにも拘らず、彼の死後も生き続け、ハルフォードの血を引く王族の子供たちの人格形成にも大きく携わり続けた。当時は『鑑定』のSKILLが存在せず、鑑定法器も勿論無かったが、ここまでの長寿であったのは相当なレベルの高さがためではないかとの仮説があり、そのレベルは一体幾つであったのか度々議論の的になる。



・ハルフォード11世

本名:ハルフォード=アスガー=バルレアル=ゾラ=モーデル

 モーデル王国現国王。41歳。アルティナとアレサンドロの父親にしてゼーラトゥースの息子。



・ズース=アー=ルゾン=アルトリーリア=クルーガー

 モーデル王国現宮廷筆頭魔術師。齢800歳のエルフ。ハークの母方の祖父。ヴィラデルが言うところの泰然とし過ぎたエルフ。

 因みにエルフ族の名前構成は、最初に自身の名前、2番目がこのように育って欲しいと願って親などが付ける過去の人物、或いは恩人の名前であり、3番目が出身都市名で最後に苗字を充てられている。しかし、ズースは3番目に国から与えられた役職に因んだ名を与えられており、出身都市名と苗字が後ろにズレている。



・バアル4世

本名:バアル=レオンハルト=ガルサーク=ガルニシュルカ=ウラブペリド=ラル=バアル

 バアル帝国現皇帝。年齢は50代に達しているのだが、外見は20代後半とすら思えるほどに若々しい。



・イローウエル宰相

 バアル帝国現宰相。狐目であるが故に狐宰相と陰で呼ばれている。皇帝からは長用されてはいるが、直接的な弟子や配下以外からの評判は芳しくない。研究癖があり、自身の興味をそそられるものに対して没頭する癖がある。



・アレス王子

本名:アレサンドロ=フェイロ=バルレゾン=ゲイル=モーデル

 モーデル王国第一王子。現在21歳。現国王とバアル帝国から嫁いできた現皇帝の妹との間に生まれた真のサラブレッド。王国側には両国の平和の架け橋と期待されていたが、実は帝国側の謀略の一つであり、10歳から15歳までの多感な思春期を5年の長きにわたり帝国で過ごしたため、選民意識に凝り固まった帝国流の考え方を身につけた一方で王国の習慣や伝統を軽んじ、王国の貴族たちと反りが合わずに関係が悪化している。このまま彼が王位を継げば、王侯貴族の溝はますます広がり、国力の低下は避けられず、下手に冷遇すれば、母の実家を頼って帝国に戦争の口実を作らせてしまう原因になるという八方塞がりな有様。本人は自分がそんな状況を作り出しているとは気付いておらず、傲慢で、世間知らずな上に考え無しで行動する自信家。顔は凡庸だが、背も高く体も頑強なのがそれに拍車をかけている。

 因みに、バアル帝国現皇帝はアレサンドロが王位を継いだ場合には、貴族・家臣団との溝をスパイを使いさらに広げて修復不可能なものにしてから切り崩し、最終的に併呑する予定である。



・モログ

 他を圧倒する実力を持つ冒険者。その戦闘能力は西大陸一であることは確実とされ、大陸どころか世界一とも目される。

 レベルもさることながら、クラス『皆の希望にして皆の王者プロレスラー』専用SKILLの効果故に魔導力・精神力・最大MP量を除けば、チートか!? とも思えるぐらいのある意味超越したステータス値を誇る。逆に同専用SKILLのペナルティ効果によって近接戦闘しか行うことが出来ない。ただし、スタミナ値がとんでもない量であるために、凌いで凌いで勝負を長引かせようが、遠距離で対抗しようがいつかは追い詰められてしまう。普通の人間種では修得不可能な各種超絶SKILLも備え、ハッキリ言って西大陸最強は疑いようが無い。



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