第7話 プロジェクト始動!
事務所に帰ったあたしたちは、早速、調査結果が出ました、と業者に連絡を入れた。ご相談したいこともあるので早めにお越しください、と伝えたところ、すぐ行きますとの返事が。
よほど早く解決しろとせっつかれてるのか。
それから一時間後。
前に来たのと全く同じコンビがやって来た。まあ、担当がコロコロ変わるはずがないから当たり前か。
二人がソファに座るのを待って、お茶を置き、対面側へ座る。早く言えと言わんばかりに身を乗り出してくる二人に、あたしは咳払い一つし、口を開いた。
「まず、結論から申しますと。幽霊の仕業でした」
「「おおお…」」
二人して頭を抱えだしたので、とりあえず落ち着くようにいい、お茶をすすめる。
「正確には、幽霊というか、桜の精です」
「桜の精?」
「はい。あの木は平安時代からずっとあの場所に立っているそうで、切っちゃたりしたら怪我ではすまなくなるでしょうね。一般的な霊ではありませんから、除霊しても無駄です」
「そ、それではどうすれば…!?」
「まあ、聞いてください。そこで、我々は桜の精の元へ何度も足を運び、話し合いを重ねました。結果…」
「「結果…!?」」
「お引っ越し、ということで納得していただきました」
「引っ越し、ですか?」
「はい。あの木をとある場所へ移植していただけるなら、ということです。ただし、条件があります」
「条件…ですか?」
「先方は、あなた方を全く、これっぽっちも信用していません。当然ですよね。突然現れてぶった切ろうとしたんですから。そこで、移植作業には我々所員と、地元の幽霊たちが総出で立ち会います。ああ、ご心配なく。幽霊はあなた方には見えませんから、たぶん。で、ここからが本題ですが。木は生きています。根っこの先すらも傷つけず、丁寧に移植してください。万が一桜の木に何かあった場合は、今後の工事に関しても従業員の方々の身の安全も保証しかねますので、ご了承くださいませ。滞りなく移植が終わり、先方が満足されましたら、あの土地は好きにしてくださって結構だそうです。移植にかかる費用は全額貴社で負担してください。その代わり、こちらの費用はちょっとおまけしときます。この条件でいかがですか?」
はいっ! と頷きかける二人に苦笑しながら待ったをかける。
「会社に確認取らなくていいんですか? 」
「あ、はい! そうですね!」
「すぐに確認取ってきます!!」
「あ、ちょっと待ってください! 今の話し合いを正式な文書にまとめた書類があります。突然こちらをご一読いただき、検討していただければと。またお返事お待ちしております」
「はいっ! ありがとうございます!」
「「失礼しますっ!!!!」」
猛ダッシュで帰っていく二人を見送り、思わず苦笑する。
それにしても、書類用意しておいてよかった。あの二人のプレゼン能力と記憶力は当てに出来なかったので、ゆーさんと相談して作ったのだ。
さて。持ち帰れとは言ったけど、会社もノーとは言わないだろう。
私は受話器を取ると、先日教えてもらった番号に電話をかけた。
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