第3話 変な二人


「好きだ」


「私を?」


「ああ」


「そう」


「ああ」


「ありがとう」


「どういたしまして。それで?」


「え?」


「出来れば、返事が欲しいんだが」


「ああ……、奇遇ね。私もずっと好きだったわ」


「俺を?」


「ええ」


「そうか」


「ええ」


「ありがとう」


「どういたしまして」


「それじゃあ、付き合うということで良いだろうか?」


「そうね……。そういうことになるのかもしれないわね。貴方はそれで問題ないのかしら」


「ああ」


「じゃあ、今日から私たちはお付き合いしているということね」


「彼氏として出来る限りのことはしていこうと思う。何かあったら言ってくれ」


「私も彼女として頑張るわ」


「ありがとう。それじゃあ、これからよろしく頼む」


「ええ、よろしくお願いするわ」


「まずはどうだろう。このあと予定がなければ一緒に駅まで帰らないか」


「良いわね。実にそれっぽいわ」


「途中で手を繋ぐというのはどうだろうか」


「難しいわね。とても魅力的だけど、それはまだ早いかもしれないわ」


「そうか、確かに言う通りだな。少しはしゃぎ過ぎたかもしれないな。申し訳ない」


「良いのよ。気持ちはとても嬉しかったから」


「この調子でこれからも指摘してくれると助かる」


「任せて。それじゃあ帰りましょう」


「ああ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る