僕が天使に恋をしたと思っていたお話
解説書
第1話 恋とかけまして、落とし穴と説きます。その心はどちらも落ちる。
僕は高校一年生でした。初々しさという装備するにはある一定の条件を満たさなければならない鎧に身を包み、あどけなさという勇者の剣で敵を打ち倒す。そんな可愛らしい高校一年生。
きっと皆さんにもそんな時期があったはず。僕にですらあるのですから。
入学式、初めてクラスメイト、並びに同じ学年の人と会うことになる日ですね。
僕はそんな大事な日に遅刻しました。
スタートから大波乱の展開ですね。ここから話しはどう広がっていくのでしょうか?プロットをかいていないので僕にも予測ができません。
まあ遅刻とはいってもせいぜい十分ぐらいですので式の開始時間には間に合うんですが、何せ周りからの視線が痛い。
え、何お前。なに初っ端から遅刻ぶちかましちゃってんの?どこの重役様でいらっしゃいますか?
まあこんな調子で皆さんの口には出さずとも、きっと心の中では思っているに違いない言葉がその視線を通じてじくじくと伝わってくるんですね。
いやあ、申し訳ない。道でおばあさんが倒れてまして。
そんなありきたりな冗談をかます余裕などあるはずもなく、僕はクラスメイトになるであろう皆からの注目を一身に浴びながら教室で優しく主を出迎えようとけなげに佇んでいらっしゃる自身の席に着いたわけであります。
まあそんなこんなで無事に自分の席に着くことができた僕なのですが、ここで一つなかなかに重大なことを思い出します。
あれまって。知り合い、いなくね?
それもそのはず、この高校を僕の中学校から受けた人は僕しかいない。当然受かったのも僕一人しかいない。知り合いなんているはずがない。むしろいたら怖い。きっとその人、ヤバい人。
そんなこんなで周り見回しますよね。
ああ、いろんな人がいるなあ。
坊主だ。あれはきっと野球部か、柔道部かな。
眼鏡率高くね?
そんなことを思いながら、のんきに周りを見回し、僕は見つけてしまいました。
天使を
そして落ちてしまいました。
恋に
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