小説を書くのに便利な情報をまとめてみた

よるもあけぼの

第1話 小説作法(文章作法)

小説作法(文章作法)は、作品の見た目です。小説作法を破る=外見が不良やチャラいみたいなものです。

どんなに中身が良くても、外見で評価されたり、避けられてしまったりします。

規則を厳守する必要はなく、自分の表現に必要と思ったら破って良い規則ですが、短絡的に意味もなく破るのは作品にとってマイナスです。


・一番最初の行と、改行をしたら、次の行は「行の始めの1文字」を空ける。


(正しい)

 むかしむかし、あるところにお爺さんとお爺さんが住んでいました。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に出かけました。

 お婆さんが、川で洗濯をしているとドンブラコ、ドンブラコと上流から桃が流れてきました。


(間違い)

むかしむかし、あるところにお爺さんとお爺さんが住んでいました。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に出かけました。

お婆さんが、川で洗濯をしているとドンブラコ、ドンブラコと上流から桃が流れてきました。

−−−−−−−−−−−

・セリフの「 」(カッコ)を閉じる前に句読点の(。)や(、)は書かない。

※プロ作家で、稀に句読点の(。)を入れる人が存在します。


(正しい)

「あなたのきびだんごを、ひとつ私にください」

「鬼退治に一緒に来てくれるなら、あげましょう」


(間違い)

「あなたのきびだんごを、ひとつ私にください。」

「鬼退治に一緒に来てくれるなら、あげましょう。」

−−−−−−−−−−−

・「…」(三点リーダ)、「−」(ダッシュ)は、偶数個(2個や4個)で使う。

※間の取り方によって、この規則を破る人は比較的います。


(正しい)

「ええと……鬼退治にですか?」

「はい、鬼退治に一緒に来てください」


−−きびだんご1つで、鬼退治?−−


(間違い)

「ええと…鬼退治にですか?」

「はい、鬼退治に一緒に来てください」


−きびだんご1つで、鬼退治?−

−−−−−−−−−−−

・「?」「!」の後に文章が続く場合は、1文字空ける。

文章の最後に付ける場合は、1文字空けない。


(正しい)

「なんとびっくり! 桃の中から赤ん坊が!」


(間違い1)

「なんとびっくり!桃の中から赤ん坊が!」

(間違い2)

「なんとびっくり! 桃の中から赤ん坊が! 」

−−−−−−−−−−−

・行頭に「。」「、」「?」「!」「ー」(長引き)「〜」が来ないように配置する。

※書籍化やデータを画像化する際。テキストデータのまま、ウェブ投稿する場合は気にしなくて良い。


(正しい)

 お婆さんが、川で洗濯をしているとドンブラコ、

ドンブラコと上流から桃が流れてきました。


(間違い)

 お婆さんが、川で洗濯をしているとドンブラコ

、ドンブラコと上流から桃が流れてきました。

−−−−−−−−−−−

・同じ表現を使う場合は、同じ書き方をする。

※セリフ内で、キャラクターごとの口調により表現が異なる場合は除く。

※数字は、縦書きなら漢字、横書きなら数字が読みやすい。

ただしA4サイズなどの固有の表現は「A四サイズ」とは書かない。


(正しい)

 桃太郎はかっこいい。犬もかっこいい。猿もかっこいい。雉もかっこいい。

 1人と2匹と1羽は、鬼ヶ島に向かって出発した。


(間違い)

 桃太郎はかっこいい。犬もカッコいい。さるもカッコイイ。キジも格好いい。

 ひとりと二匹と1羽は、鬼ヶ島に向かって出発した。

−−−−−−−−−−−

・顔文字や(笑)(汗)(泣)、スマホの絵文字などは、原則使わない。

※意図的に使いたいなら、使っても良い。純文学派の人は、とても嫌がります。

※「!?」「????」みたいな表現も、純文学派の人は、とても嫌がります。


(正しい)

「桃太郎など、この程度か」

 鬼は、ニヤリと笑った。

「やばい! どうしよう!」

 桃太郎は、泣きそうな気持ちになった。


(間違い)

「桃太郎など、この程度か(笑)」

「やばい! どうしよう!(T_T)」

−−−−−−−−−−−

・動作や状況の描写と、心情(心の声)の混在の規則を設定しておく。

これは、他の小説作法で聞いたことはなく、テクニックの部類かもしれませんが、読んでいてとても気になります。


(例1)区切りなく混在

「きびだんごを1つあげるので、鬼退治に一緒に来てください」

 きびだんご1つで、鬼退治に!?

 犬は、鬼退治の代償がきびだんご1つなんて安すぎるとビックリした。


(例2)心情(心の声)の前と後に空白行を入れる。

「きびだんごを1つあげるので、鬼退治に一緒に来てください」


 きびだんご1つで、鬼退治に!?


 犬は、鬼退治の代償がきびだんご1つなんて安すぎるとビックリした。


(例3)心の声を「−」(ダッシュ)で囲んで表現する

「きびだんごを1つあげるので、鬼退治に一緒に来てください」

 −−きびだんご1つで、鬼退治に!?−−

 犬は、鬼退治の代償がきびだんご1つなんて安すぎるとビックリした。


(例)心の声を( )内で表現する。

「きびだんごを1つあげるので、鬼退治に一緒に来てください」

(きびだんご1つで、鬼退治に!?)

 犬は、鬼退治の代償がきびだんご1つなんて安すぎるとビックリした。

−−−−−−−−−−−

・(小説作法ではないですが)テキストデータでウェブ公開する場合、機種依存文字は極力避ける。

機種依存文字とは、パソコンや携帯電話の機種によっては正しく表示できない可能性の高い文字です。

正しく表示できない場合は、文字化けします。


「半角文字」

「!?が1文字になっているもの」

「常用漢字ではない漢字」

「中国の漢字」など。


以上。

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