血を吐きうずくまる、誠也君。
「…何で…奈緒美さん…」
「実はね、私が来たとき、鍵掛かってて中に居た子が開けてくれたの…でね…今は…」
私は、押し入れを指差した。
「うふふ。」
「奈緒美ー。」
………
押し入れの中には、あの化粧が下手なレジの子が、グニャリと押し込まれていた。
「うふふ。」
「何でだよ、奈緒美。」
「もう、訳が分からなかったのよ…浮気も夫婦生活も…どっちも失敗じゃない…」
「ぐふっ。」
誠也君は腕の力だけで、押し入れに近付く。
「ほら、見てよ…なんなのよ。」
私は、誠也君に最後のキスをした、唇は使わずに包丁で。
「…奈緒美…どうしてなんだ?何をしているか分かっているのか?」
「うふふ。」
アパートを取り囲む様にサイレンが近付いてきた。
「うふふ、迎えが来たわね。」
私は、血だらけだ…でも、後悔はしていない!?
愛する人の血に染まっているのだから…
完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます