「…奈緒美…今更遅いって言うのは、その濡れた髪の事か?
いいんだよ奈緒美…実は、色々調べて…俺、子供が出来づらいって検査の結果が出たんだよ…前から、分かってたんだけど言えなかった…言えなかったんだ…」
「…おっさん…
何て言えばいいかわからないけど…」
誠也君が何故か博に同情していた…
「博…何もかも遅いの…終わったのよ…」
私は、全てを話す事にした。
「…奈緒美、検査の結果を言ったら離婚されるんじゃないかと思って言えなかった、奈緒美が妊娠したとき、まさかって思ったけど勘違いで、奈緒美が凄く残念そうにしてるのみて…全部俺のせいなのに、奈緒美は何も悪くないのにって…ずっと、後悔してた…あんな悲しい思いさせるなら、別れでば良かったって…」
「博。」
「おっさん。」
「どうすりゃいいんだろうな、俺たち…やっぱり別れるべきか?
やり直せないかな?」
「…うぅ…うぅ…」
只、私は、涙を流すことしか出来なかった。
「おい、ガキ……」
「な、何だよ。」
「お前に、奈緒美が任せられるのか?お前に、奈緒美の悲しみを背負う覚悟があるのかよ。」
「あ、あるさ…僕に任せとけー。」
博の右ストレートが誠也君の顔面をとらえた。
「ぐわっ。」
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