「うん…でも、それ私の勘違いで妊娠してなかったんだ…」






「……そっか、で旦那とはうまくいってるの?


ぬか喜びって言うのかな?怒った?」






「なんかね…私らしいなって…奈緒美らしいよって、それだけで、後から話はなかったんだよね…」






「うーん、それって…もしかして!?流産したって思ったのかな、で奈緒美も辛いんだから自分がとやかく言えないみたいな…」






「あ、そうなのかな…だから、やさしかったり、よそよそしいんだよねあれから…」






「奈緒美…大丈夫!?私が心配してもしょうがないけどさ、でも、心配だよ。」






「ありがとう、洋子はどうなのよ?彼氏いるんでしょ?」






「只、いるだっけって感じかなー、なーんか結婚とか興味ないみたいで、お見合いして適当に結婚しようかなって考え中。」






「えー、私より洋子の方が心配になっちゃうよ。」






「私の事は、いいのよ、そもそも家庭に憧れてないし、子供苦手だし。」






と、その時。






「お待たせしました。」






アイスコーヒーが来た。








「…奈緒美…世間は春ね。」






「え、いきなり季節の話!?」






「そうよ、春の話よ、あんたも私もまだ若いんだから。」






「三十が若いかしら…」






「なーに言ってるのよー若いわよー。」






「…はい、はい、若い、若い。」






「ちょっとー。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る