魔人の真意

「しゅ、囚人番号1077! ドラグニア・・・さん?」

「・・・・・・」

「えっと・・・もしもーし、ドラグニア・ラルスさん?」

「・・・・・・・・・」

「あ、もしかして俺の声聞こえてません? ちょっと小声過ぎましたかね? スー・・・ハーッ・・・ドラグニアさーん!」

「・・・・・・・・」

・・・終わった、いざ覚悟を決めて【魔人】に面会に来たは良いが、この人何言っても一切反応してくれないんですけど!? 資料には耳が不自由とか書いてなかったよ!? 無視? 無視なのかな? 現実世界でこうならない様に必死で浮かない様努力してきたのに、この世界に転移して来てついにハブなのかな!?・・・先生もうどうなってもしりませんからね? 後で職員室に言いに来ても知りませんからね? 誰が遊佐君を無視したのか手を挙げるまで、帰りの学級会は終わりませんからね? ・・・もう嫌、グスンッ。

「・・・えーじゃあもういいです、罪状を読み上げます」

蒼星は魔人の反応の無さにうなだれると、意気消沈し淡々と罪状を読み上げた。

「えー、ドラグニア・ラルスさん、あなたは法治国家ドリアードの法に基づき、戦時下での大量殺人の容疑が掛けられています、このまま何の弁解もなく意思の表示もないままであれば、今日から数えてちょうど一月後にあなたの死刑は執行される事となります、何か弁解の余地はありますか?」

「・・・」

「はい無いんですねわかりました! ではその他何か言い残す様な事はありますか!」

「・・・・たい」

「はい無いんですね・・・・・えっ?」

「・・・家族・・・に・・・会いたい」

「・・・・・えっ」

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