強歩大会

「今日は疲れました……」

「よく走ってたよな、如月。お疲れ様」

「ありがとうございます。途中で追い越しましたけど、北斗さんは楽しそうでしたね」

「楽しいわけあるか。ずっと小坂と星川に絡まれてたんだぞ?大変だったよ」

「でもそれを振りほどかない辺り、やっぱり楽しかったんじゃないですか?」

「そのために走るのが面倒だっただけだ」

「素直になってもいいんですよ?」

「……俺を振り回すのは、お前だけで充分だよ」

「そ、そこまで素直になられると、こちらも動揺してしまいます」

「動揺しすぎじゃないか?」

「だってそんな、殺し文句じゃないですか」

「……そんなにか」

「そんなにです……」

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