第2話 新しい家族を紹介します

 冒頭だしなんか面白いこと言おうと思ったんですが思いつかないのでやめときます。

 そんなことより私の新しい家族を紹介してもいいですか?


 先日私は友達の結婚式のために東京に行ってきました。

 式が日曜の午前だったので、前日入りしてトーハク(東京国立博物館)に行く予定だったのですが……なぜか気づいたら上野動物園にいました。ナンデ?


 いえ、記憶はあるにはあるんです。私は元々別の友人とトーハクに行く予定だったのですが、トーハクの待ち時間がえぐいと知った私は、何を思ったのかこうLINEしました。


「よし!動物園行くわ!(原文ママ)」


 というわけで上野動物園です。


 楽しかったですよー!ソロ動物園!

 ほら、友達や家族と行くとどうしても周囲のペースに合わせなきゃいけないじゃないですか。買い食いをする主義としない主義で分かれることも多いですし……。

 でも! 一人で行けばそんな問題は起こらないのです! ワハハ!


 パンダ以外は全部見てきたと思います。パンダさん強いですね。

 特に私はキリンなので、キリンの檻の前で、柵の向こう側に閉じ込められた生き別れの兄弟を見ている時間が長かったですね。

 一番長かったのはマヌルネコさんですが。

(カメラを構えていたらマヌルネコさんにものすごく迷惑そうな顔を向けられました)


 そして……私は出会った。

 動物園ショップに雑に並べられた――アリクイのぬいぐるみと!


 いやほんと可愛かったんですよ。あれは仕方ない。無意識のうちにレジに持っていっちゃいましたし。仕方ない仕方ない。


 悲喜劇はここから始まる――


 最初に言った通り、翌日は友達の結婚式です。一緒に行く友人たちと落ち合って夕食を食べることになっていたのですが、そこに向かう道中で私は気づきました。


 あれ、アリクイのぬいぐるみが、ない。


 もしかして、落とした?


 半泣きになりました。ていうかちょっと涙も出ました。

 心当たりのあるあらゆる場所に電話をかけたのですが、結果はなしのつぶて。

 どうやら私は、アリクイを野生に返してしまったようでした。


 コンクリートジャングルで……アリクイは生きていけるのだろうか……。

 アリクイ……アリクイ……アリクイ……………。


 というわけで翌日の午後、私は上野動物園にいました。


 わーい! 動物園だー! たっのしー!!!


 まあ、友人を待たせていたので、ポニーを横目に見ながらショップに直行したわけですが。


 そんなこんなでおみやげショップ。

 アリクイはまだ棚にいました。


 くっ……すまない、アリクイのバンビちゃん……!

 二号は絶対に大切にするからね……!

(なんでアリクイがバンビちゃんなのかはそのうち説明します)


 そしてレジへと向かおうとしたその時――私の視界の端に茶色い物体が映りました。


 アアーーーー! 水無瀬くんがいる!!!!!!!!!(水無瀬くんではない)


 でもオオサンショウウオぬいぐるみだよ……?

 そんなの水無瀬くんじゃん……?

 手乗りサイズだし……かわいい……。


 気づいたら会計を済ませていました。なぜ?


 まあ、アリクイのバンビちゃんを落として半泣きで探し回り、翌日にまた動物園に来て買っちゃうのってどう考えても水無瀬くんムーブなので、今日もちょっと頂上くんムーブをしただけだよ。


 だって私頂上くんだし。仕方ないよね。


 友人と合流後、私はオオサンショウウオの水無瀬くんをカフェの机に置きました。


 お尻についていたひもを引っ張って、体を離します。


 ぶるるるるるるるるるるるるるるる!!!


 アアアアーーーー! 水無瀬くんが震えてる! 震えながら机を張ってる!!! 僕ににじりよって! アアーッにじり寄ってる! こっちだよ水無瀬くんほら! ほらこっち!!!!!


 以上、オオサンショウウオの水無瀬くんと、アリクイのバンビちゃんレポでした。


 次回! 続く、アラサーの限界ぬいぐるみ遊び!

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