さつじんスキルとはなんぞや
俺のスキルはさつじんスキルだ、とおっさんが言ってた。
そんな物騒なスキル、ボク要らないよぉ……。と、思っても残念な事にスキルの放棄は出来ない。と思われる。
スキルの放棄も多分実装もされないと思う。だってゲームっぽい異世界であって、まぁ現実だもんね。ゲームっぽくても。
異世界転生したけど、いくらステータスオープンと叫んだ所でステータスは表示されはしない。
だから本当に俺のスキルが『さつじん』なのかは確証は持てない。
使い方も知らないし、色々試した結果、村が壊滅してましたぁ!犯人は……私でぇす!なんて事になったら、ボクそんな罪悪感!耐えられないよ!そんなの!となるだろう。
だから、どうしようもないのだ。
だいたいスキルで人生は決まる。この世はスキル万歳スキル天国なのだ。
武技に長けてれば騎士でも兵士にでもなるし、魔法が上手けりゃ魔法使い。学者畑でも実戦派でもどっちでもいい。
生産・創作系は工房でお待ちしてます。
つまりの所、『さつじん』スキルでどうしたらいいの?と俺は。
さつじんスキルはどうしようもないので、それは無いものとして扱うのが良い。とは頭では理解していても、
俺という人間は女々しいと言えばお怒りになられるお方もいらっしゃるでしょうが、恐れず言うと、心の中にどこか諦めきれない、まさに未練という物がチラチラと顔を出すわけであります。
そういう後ろ髪を引かれる、そういう物を持って、戦場の、前線に貴方は立てますか?生き残れますか?と問われたら、そりゃあやっぱり駄目でしょう、と。
俺は戦闘童貞ですから、偉そうにあーだこーだ言った所で、スキル有る無しが果たしてどのくらいの、思うよりも、なんですよね。実際の所は。
それはやっぱり、こう、お守り付でも経験した方が良いんです。
でも金もないし、俺はさつじんスキル持ちなわけで難しいぞ、これ、と。
街を囲む城壁の外で俺は比較的安全な草刈りをしてきたわけだ。こんな仕事でも食うには困らないから、その報酬で腹に塩ゆでパスタを詰め込んでいたわけだ。
近くの席で、俺の後輩に当たる奴らが俺より良い物を食べ、水ではなく酒を飲んでいる姿を横目に。
うん!美味しい。これはかなりも美味しいぞコレ。こういうのって塩でしか味付けしてないのに、不思議と美味しいんだよな。水もガブガブ進んじゃう味。
「すいませーん、この塩パスタを1つ」
塩パスタって、なんだか安心する味だよな。
素朴で、飾らないって言うか、ダイレクトな味。
貧乏くさいのも性にあってるのかな。安いし。
「出会え!出会え!」
ちゃんちゃんばらばら
「このお方をどなたと心得る!」
「雅なお方「麿でおじゃる」控えおろう控えおろう」
俺は京戦士おじさんに殺陣スキルを教えて貰った。
俺は雅な京戦士おじさんのおつきの人として生きようと思った。それがこの殺陣スキルが活きると思ったから。
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