◆第7章-4◆お義父さん大激怒。「家事のリストラ法」を教えてやる
久しぶりに仕事スイッチの入った芳樹は疲れ果てていた。現役を引退してから2時間も仕事モードでいたのは初めてではないだろうか。もしかしたら、家族のために仕事の力を発揮したのも初めてかもしれない。そんな心地よい疲れを感じていると、ともりーなが近寄ってきた。
芳樹「ふー。久しぶりに分析して疲れたな。そういえばこのスタバ、留津が好きそうな明るい雰囲気だな」
ともりーな「むー。することなくて残念(´・-・`)いいもん、ちょうど寝ちゃったからいたずらしちゃお!ワープ!」
芳樹は、突然睡魔におそわれ、テーブルに倒れ込んだ。
??「あなた」
芳樹「ん?あぁ、お会計だな。ちょっと待ってください」
??「何言ってるの(笑)?私よ」
芳樹「留津、、、お前どうしてここに」
留津「ちっちゃな妖精さんがね、『芳樹さんが会いたがってるよ』なんて言うもんだから出てきてあげたのよ」
ともりーなは芳樹と先立った妻の留津を夢の中で会わせることにしたのだ。
芳樹「妖精とかお前、、、そんなものが見えるくらい疲れてたんだな」
留津「あっち行ったら疲れないのよ(笑)。私は家事を好きでやってたわ。あなたのためも努のためも、全部私が好きでやってたことよ」
芳樹「いつもそう言ってくれてたな。それに甘えてしまって俺は仕事ばかりだった。努が反抗期でまったく目を見て会話しなくなった時も、『母親なんだから話聞いてやれ』なんて押し付けてしまったな」
留津「なーに言ってるのよ!仕事をがんばるあなた、好きだったわよ。あなたと努を支えることが私の幸せだったの。私、幸せだったわよ。努の何言っても返事が『何でもいい』の時期は辛かったけど(笑)」
芳樹「何もしてやれなくてすまん」
芳樹は独立したばかりに生まれた努の面倒を、留津ひとりに見させてしまったことに後悔があった。「仕事が落ち着いたら俺も育児をしよう」と思った頃には努は反抗期を迎えていて、会話すら満足にできなくなってしまっていた。そのことに焦りを感じつつも、会社のために、家庭のために仕事を減らすことは考えられなかった。
留津「もう死んじゃったからいいのよ(笑)。あ、温泉旅行は行きたかったわね!」
芳樹「あぁ、そっちに行ったらいくらでも連れて行ってやるよ」
留津「でもあなたがこっち来たらまた料理とか洗濯しなきゃよねー。もうちょっと休ませてもらうわね(笑)」
芳樹「そうだな(笑)。努が就職してからしばらく『一人の時間ってこんなに贅沢なのね』って言っていたな」
留津「本当はね、二人でこんな風に過ごしたかったのよ。ほら、私おしゃべり好きでしょ」
留津と芳樹は二人でコーヒーを飲みながら笑い合った。
留津「さっきあなたが話していたことが、努と愛理さんに伝わっているといいわね。『下限』は何回でも変えていいし、二人の会話の時間が何よりも大切なのよ。特に愛理さんみたいながんばり屋さんほど、子どもができたら「理想の母親にならなくちゃ」って今まで以上にがんばろうとしちゃうから。私の時とは時代が違うのよね~。努と愛理さんは共働きでしょ?私の時代は専業主婦だったから、時間はがんばればあったのよね。もうちょっとあなたにやらせても良かったけど(笑)」
芳樹「本当はな、「手伝うよ」という意識じゃだめだったんだよな。手伝うじゃなくて中心となってやるべきだったのが家事であり育児だったんだよ」
留津「あら、成長したじゃない!」
芳樹「本に書いてあったことだけどな(笑)」
留津「前言を撤回します(笑)。これからも私の代わりに助けてあげるのよ。特に努は忘れっぽいとこあるから(笑)」
芳樹「分かった。ありがとう、留津。俺もお前と夫婦でいれて幸せだった」
留津「過去形にしないでよね(笑)。これからも私たちは幸せよ」
芳樹「留津、ありがとう」
留津「今日はやけに素直ね(笑)。あなた、外でもどこでもすぐ寝ちゃうから、早く帰ってちゃんとお風呂に入ってから寝なさいよ。あ、お風呂は40度にして、あんまり熱いお湯にしないこと。ちゃんと守ってる?」
芳樹「あの世に行っても世話焼きだな(笑)」
留津「これが好きなのよ(笑)。ほら、そろそろ起きて。身体冷えちゃうじゃない」
芳樹「お前もゆっくりな」
芳樹と留津の夢の中での再会が終わると、ともりーなは留津に話しかけに行った。
ともりーな「楽しかった♪?」
留津「あら、また妖精さんじゃないの。楽しかったわよー!ありがとうね」
ともりーな「留津さんも『ともラク』メソッドあったら良かった?」
留津「んーどうかしら?私の時代は楽するとか言ってられなかったしね。でも、あの人ともっと話す時間はほしかったわね」
ともりーな「おしゃべりは楽しいよね(*´∪`)」
留津「話すだけでいいのよねー。一緒にいる時間を増やしたいから結婚したんだしね。さーて、私はお昼寝の続きよ。あっちでずっと寝不足だったんだから寝るわよー」
ともりーな「はーい、おやすみー♪」
芳樹は夢の中で留津のことを考えていた。もっとしてやれることはあったのではないか。その気持ちは消せないが、留津のおせっかいな性格が変わっていないことに、少しの嬉しさも感じていた。
そんなことを考えていると、あっという間にカフェの閉店時間を迎えていた。
店員「あのぉ、閉店のお時間なんですが」
芳樹「お、すまない!もう出ます」
店員「ご来店いただきありがとうございました」
芳樹「不思議な夢だった。留津そのものだったな。妖精のぬいぐるみでも供えてやるか(笑)」
ともりーな「え、ぬいぐるみにしてくれるのー♪?やったー(๑˃̵ᴗ˂̵)و」
※芳樹さんと留津さんを再会させちゃいました~(*´∪`)一生分のいいことした気がするわ(*´罒`*)芳樹さんも家事力高いよね。それに、あれだけ仲良しなら家事も仲良くできそうよ。共働き時代の芳樹さんと留津さんを見てみたかったわね。
それでは、明日は7本目のコラムをお届けします!とうとう最後のコラムです。先輩ラクニストさんたちはトイレ掃除をどうしているのか、明らかにしちゃいます(^^)
褒められて伸びる妖精ともりーなは、あなたのレビューやコメント、★をお待ちしています٩(ˊᗜˋ*)و
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