第2話 は?聞いてねぇぞ…!?
「…‥え?」
俺は一旦ドアを閉じた。
「…いやいや待て待て待て。俺はちゃんと就職したはず…何故だ…何故女性しかいないんだ…場所間違えたかな…。」
…なんて考えてるとドアが開いた。
「あ!!!君!!新入社員の子!?」
いかにも馬鹿そうなショートカットの女が俺の方を見て目をキラキラさせる。
「あっ…え、えと…そうなんすけど…えと…あの…ここの男性社員さんって…?」
「え?この部署はいないよ?」
…頭に鈍器が落ちてきたような衝撃がきた。
嘘だろ…そして、なんでこの女こんなにサラッと…この会社はかなり頭が良くないと入れはいはずなのに…本当に頭良いのか…?
その時からこの女の俺の中でのあだ名は「アホ女」になった。絶対口には出せないけど。
「そ、そそ…そうだったんですね…ちなみにこちらの職場って…」
「ここはデザインを作る職場よ!」
…やはり間違ってはない…けど秋に見学に来た時は男性社員もいたはずなのに…。
「あっ…あ…えと…あの…ここにいた男性社員さんって…?」
「あ〜皆辞めちゃったんだよね〜w」
あ〜wwじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!!
…え…男性全員居なくなったってこと?
超ブラック企業だったりするのか…?
俺こんな状況でやっていけるのか…?
…とてつもなく大きな不安が押し寄せた。
「ぇ…nぇ…ねぇ…ねぇってば!!!!!」
はっと我に返った。
ずっと呆然と黙ってしまってたらしい。
「あっ…わっ…あのっ…すいません。」
「もう…ずっとぼぉーとしてたよ!?大丈夫!?とりあえず、デスクの場所とか案内するから着いておいで!!!」
いや、ぼぉーっともするだろそりゃ。
…と思いながらもなんとか気を取り直して着いていき、デスクの場所や業務について教えてもらって初日が終わった。
家に帰り、すぐにベッドにダイブする。
「はぁ…なんて一日だよ…来週から不安だな…。」
…そう。不幸中の幸いで明日は土曜日。土日は休み、そして希望休も取れる。残業は…あるかもしれないが、週5勤務なのだ。給料もそれなりに良くて、元々物作りやデザインを書くのが好きだったのでここに決めたんだ。
「でも…でも女性しかいないなんて聞いてねぇよ…はぁぁぁぁ…まだ働いてないけどもう辞めてぇ…」
なんでこんなに落ち込んでるかって?
それは俺が…
………かなり重度の女性恐怖症だからだ。
こんな会社絶対に辞めてやる!!! しずく @koyuki0927
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