第7話 アーマーナイト哀歌

あれから幾つ戦闘を繰り返したであろうか。軍には頼もしい仲間達が加わり大所帯となった。

そしてアーマーナイトの俺は足が遅いことを理由にメンバーを外された。


「おはよー、元気してた?」

黒魔術師が屈託のない笑顔で俺の方に近寄る。黒魔術師は俺がレギュラーから外されても変わらない。

レギュラーメンバーの中核にいる黒魔術師やナイトへの嫉妬もこの笑顔で流される。


「よいしょ」

黒魔術師は掛け声と共に水を持ち上げた。

ああ、施療院か。

そう言えばあの頃も魔力をあっさり使いきって薬箱を持って戦場と駆け回っていた印象が強い。

今でもやはり戦場を薬箱持って駆け回っているのだろう。


本来戦士系の俺が水を運んでやるべきなのだろうがコミュ障の俺には難しかった。


「施療院迄でいいか?」

傭兵、いや、今や剣士となったカインの奴が声をかける。

「そう。ありがとう」

楽しそうに行ってしまう二人。

途中黒魔術師がこちらに手を振る。俺は唇を噛み手を振り返す。


二人は、いや、みんなが遠くに行ってしまうようだった。

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