第3話 アトレイユは氷の指輪を手に入れた

裸の勇者アトレイユは無断で一般人の家に侵入する。

家の主は女の子のようだ。

「最近モンスターが現れるようになって物騒になったわ」


ええと

鉄の剣をぶら下げた全裸の男の無断侵入は物騒じゃないと?

平和ボケした女の子は続ける。

「氷の指輪はお母さんの形見なの」


アトレイユは聞き返す

「最近モンスターが現れるようになって物騒になったわ」


アトレイユは構わずクローゼットを開ける。

全裸で女の子の部屋に侵入した見知らぬ男が勝手にクローゼットを開けるというシュールな場面だが、女の子は咎める様子もない。


そんなことより

よせ、やめておけアトレイユ

という良心の声を無視し他人の部屋をあさるアトレイユはついに問題のブツを見つける。


テッテレ~

アトレイユは「氷の指輪」を手に入れた。


空気を読まず女の子の大切な氷の指輪を持ち出す勇者アトレイユ。

勇者要素は今のところまるでない。


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