第12話
夏季学校2日目。真里は、昨日のことをいずに報告するかどうか迷っていた。結果的に、言わなかった。でも、と真里は思う。これは言える事じゃない。りょうたが恥ずかしいかもしれないし、、、
その日は山登りだったので、真里は案外楽しみにしていたがりょうたが口説きたい人は誰か考えていたせいであまり楽しくないものに変わってしまった。
その日の晩。復活したりょうたの姿を夕食で見かけ、真里は安心した。しかしその姿を結衣に見られ、
「真里ちゃん、山神くんのこと好きなの?」
と言われてしまった。困っていると、、、
「そう。バレバレだよね」
誰かが真里の心の声を言った。声の主は、、、
「いず?!」
ニヤッと笑うその顔にはさっきの発言に対する反省とか後悔とかそんなものは無くて、逆に面白がっているようでもあった。
「ほんとでしょ??真里」
「うっ、、、」
私は否定できない。
「うわぁっ、そうなんだ!じゃありょ、っ」
何かいいかけた結衣ちゃんを、いずが抑えた。耳元で何か囁くのがわかる。
「了解」
結衣ちゃんのその言葉だけ聞こえた。なにを話してたんだろ?気になるけど、どうせ教えてくれないので聞かないことにする。
「真里、頑張りなよ。ライバルもいるっぽい情報持ってるから」
いずから言われ、私は落ち込みながら返事をする。
「わかってるよ。ライバルがいるのは、、、すっごくモテるもんりょうた」
その日は結衣ちゃんにもばれちゃって、本当に悲しい一日だった。
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