最終回&エピローグ
「樹くん、話があるの。せっかくのクリスマスイブだから、今日言わないといけないっと思って・・・」
クリスマスイブの夜、桃香は俺に向かって、こう言った。俺は「何の話だよ」と言った。すると桃香は衝撃的な一言を俺に言ってきたのだ。
「最近私、樹くんとなら付き合ってもいいかな・・・って思ったの。だって、樹くん私のことずっと想っているんでしょ?でも、まなかには悪いかな・・・」
「え、これって・・・」
「
・・・これって、桃香が俺のことを好きだって言ってくれたんだよな。やっと俺の恋が報われたんだ。めっちゃ嬉しい。
「うん、付き合おう。俺も桃香のこと好きだよ・・・」
俺の答えはこうだった。断る理由なんてない。俺がずっと大好きでしょうがない憧れの女の子が彼女になるんだぞ。これ以上の幸せはない。そして、お互い顔を合わせ、お互いの唇が触れあった。ファーストキスだ。桃香だってそうだろう。そのキスの感触は、脳が溶けるような、とっても柔らかい感触だった。そして・・・
「とうとう俺たち、恋人になってしまったんだな・・・」
「そうだね・・・うん、ありがとう。今日はすっごく楽しかったよ。ダーリン♡」
と幼なじみであり恋人でもある
◇ ◇ ◇
まなかが俺と桃香が付き合い始めたことを知ったのは合宿から帰ってすぐのことであった。まなかは「私、フラれた!名実共に負けヒロインじゃん!」と言っていたが、「実は合宿中に部活の先輩から告られたんだよね〜」という話を聞いた。そして、まなかは三学期になるとその先輩と付き合うことになったようだ。
三学期になり、俺は千鶴先輩と楠本に彼女ができたことを伝えた。千鶴先輩は素直に「おめでとう」と言ってくれたのだが、楠本は「ちぇっ、あたし本気で樹のこと狙っていたのに・・・」と不満顔だった。・・・すまない、楠本。
3月、千鶴先輩の卒業式があった。千鶴先輩は4月から東京の有名大学に進学する。どうやら千鶴先輩は弁護士を目指すようだ。千鶴先輩は卒業生代表として挨拶をした。そして卒業式が終わると、そのまま部室へ向かう。これから3年生を送る会があるからだ。
「千鶴先輩、ご卒業おめでとうございまーす!!!」
顧問の田上先生と下級生で千鶴先輩を迎える準備していると、千鶴先輩がやって来た。そして、千鶴先輩が部室に入ると、クラッカーが鳴った。
「みんなにこういう形で祝われるのは、ちょっと恥ずかしいわね・・・」
千鶴先輩はこう照れくさそうに言っている。
田上先生が千鶴先輩にメッセージを述べる。そして千鶴先輩の引退後、部長になった
「3年前、私が漫画研究部の門を叩いた時は上級生が在籍しておらず、休部状態でした。しかし私の活動によって、1年後には5人が、そして2年後には3人が入部し、部活動として再開することができました。また、かつてはご自身も在籍し、休部状態だった東高校文芸部を復活させるため、顧問を引き受けてくれた田上先生には感謝の言葉しかありません」
千鶴先輩は涙を流しながらこう挨拶していた。そして、
「では、千鶴先輩の卒業を祝して、乾杯!!!」
1年生である俺と楠本が音頭を取り、お菓子とジュースで祝杯をあげた。そして、最後は千鶴先輩の胴上げで3年生を送る会を締めることになった。
◇ ◇ ◇
高校を卒業した俺・桃香・まなかの3人はそれぞれの道を歩み始めた。桃香は東京の有名大学に進学し、アナウンサーを目指している。まなかは地元の体育学部のある大学に進学し、陸上を続けている。そして俺は東京近郊の美大に通いながら、ある漫画家のアシスタントをしている。
今日は桃香とのデートだ。なかなか会えないので、桃香と会うのは久しぶりだ。
「おはよ、樹くん」
「おはよう、桃香」
この日のために新しく買ったという桃香の私服はとても似合っている。可愛い。そして、
「予定の時間よりちょっと早いけど、デートに行こ。私、樹くんのためにとっておきのデートプランを考えたんだから」
「ああ、そうだな。楽しみにしてるわ」
こうして俺と桃香はデートに向かったのであった。
文化系幼なじみと体育会系幼なじみ、どちらがお好きですか? 青獅子 @bluelion
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