第3話 ウェルカム妄想倶楽部

とうとう禁断の扉を開けてしまった。期待は外れ店内はいたって普通のバーであった。お客は誰もいない、私一人だけだった。あの怪しげな電球はなんなのだろうか?と思うくらい普通のバーだった。

とりあえずマスターにビールをオーダーする。素敵な音楽が流れ、ただ普通のビールを飲んで時間を過ごした。数杯飲んでいただろうか、うとうとした頃マスターが別メニューを見せてきた。そのメニューには


「あなたを妄想の世界へ案内します」


と一文が書いてあるだけ。じっと見つめているとマスターが


「ようこそ、ウェルカム!妄想倶楽部へ、こちらへ案内します」


と言い、カウンター裏の秘密の扉へ案内してくれた。


「ようこそ」も「ウェルカム」も同じ意味じゃんと思いながらも、扉を開けた。


そこは10人ほどで満席になるような、小さなシアタールームがあった。

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