ごくありふれた世界の終末期

@I-Nameless

ハジマリノマエ

「雪か...」 あの日の夜、滝野世羅は白い雪を見た、 何年か前に赤い雪を見た。 その後、世界に異変が起きた。 『怪人』 人間が変異した人類の敵、 それに寄り世界は大打撃を被った。 憎しみの余り人が怪人に変異して被害を受けその危険性からある国の巨大経済圏構想も結局は頓挫してしまい港を整備して撤退をした、

国外に居た人の殆どが本国に連れ戻された。 北のある国は終戦間際に奪ったある島を島民を本国に移送した後返還をした、 中東地域に起きた民主化運動後に民主国家は軍事国家時代に逆戻りをした。 かつてEU圏と呼ばれて所も解散した結果国境の壁や鉄条網がしかれた、 『合意無き離脱』ならぬ『解体による離脱』が起きたのだ。 そうして人と怪人の全面対決が起きた、 だが怪人は人が変異した存在、 人が居なくなって機能しなくなった国家、国同士の統廃合や吸収合併を繰り返しても限界が来た。

滝野世羅は翌日対怪人掃討部隊ガンランサー隊に参加するそうです、 『刺し違えても敵を倒せ』と危険だが誰もが憧れるヒーローになれると勘違いした人達が人気を呼んだ。 だが現実は過酷な訓練厳しい試験で辞める人もいればすとれす等から怪人に変異して逆に殺された人も居た。 そんな組織に滝野世羅は参加する、でも誰も滝野世羅を責めないどうせ不合格に成るだろうと想ったか、

試験会場となる事務所。 如何にも試験官らしい厳つい風貌の男性が扉に入って直ぐの机の向かい側に座ってた、 「今日から試験を受けます滝野世羅です、宜しくお願いします」 滝野世羅は履歴書を机に置いた。

「此方こそな...ん?君、中卒かね?」

「15歳から入れると聞きました」

「それはそうだが、何故ガンランサー隊に入ろうと?」

世羅は暗い顔でこう言った、

「僕は頭が悪く皆にいつも虐められそれでも耐えて、受験を受けようと思った高校が怪人に破壊されて何処にも行けれず」

試験官が世羅な肩をふれて言った。

「あのなぁアノ小学校と中学校はな超難関校でな、君が頭悪いと想っても他から見て賢い方だぞ」

それでも滝野世羅の顔は暗いままだ、

「あの高校の事な。アレは確かに虐めの加害者を庇うのはどうかと思うがでもあの事件の後『別の高校に通う様』進められてもそのまま通わないでニート化した奴もいたしな、まあ...それは別としてようこそガンランサー隊へ貴方をきっちりしごくからな覚悟しておけ!」

試験官は世羅の手をつかんだ。 入隊と同時に免震事項を呼んだ。

免震事項

『対怪人掃討部隊通称『ガンランサー隊』(以下当局)の保有する小型特殊車両、

通称ガンランサー(以下当機)のライダーとして入隊する事は免震事項を理解したものとします。よくご確認下さい』

1.(当機)と怪人の交戦際周囲や貴君に何かしらの被害が遭っても当局は一切関与しない。 2.何時如何なる時でも貴君は怪人の掃討任務が発生したら任務参加を義務付けられます。 3.『貴君』は(当局)の隊に入隊から除隊までは『貴君』は(当局)監視下にあると思って下さい、

其から非常に厳し訓練が続いた。 訓練の最中に音を上げ止めてく者も居れば中には怪人に変貌して逆に殺された者が居た。 数日が経過した。

「良く耐えたな次はいよいよお待ちかねの貴様らの相棒の訓練だ詳しくはA.Iに任せてある!」 訓練生達は威勢の良い返事で

「ハイッ」

と言った。 案内された場所は数台のバイクただ普通のバイクと違うのは乗って分かった。 「初めまして。私はライダー候補生を担当するナビゲーターA.Iです、早速ですが小型特殊車両、通称『ガンランサー』の訓練を此れから行います。試験合格後にガンランサー隊の一員になるでしょう。ガンランサーは可変機能を持つ特殊車両です、スピードに優れたバイクモード。安定性に優れたバギーモード、兵装類が使えるロボットモードに変形が出来ます。最初にハンドルの根元にあるキーボタンAを押して変形して下さい」

上手くいかず戸惑う者も居たが無事に変形した二輪のバイクから四輪の一人乗りのバギーに変形した。

「次にロボットモードに変形して下さい」 今度はスムーズにいった。 四つのタイヤが収納されマシンがライダーの体をある程度覆い機械の手足が引き出された、 そして最後はロボットに変形した。 その後は機械の手足が収納されバイクの形に戻った、

ガンランサーと名付けた特殊車両について。 怪人が表れて初期の頃。 何時何処で出くわすのか分からない素早く追い付き包囲する為には緊急展開機能を持ちつつ高速移動するマシンが必要だった。 大久の国々が対抗策を模索した中、日本は一つの提案を出した。 変形機能を持った特殊車両、

つまり『パワードスーツに変形するバイク』 がガンランサーなのであるただ日本も含めて軍用変形バイクの事は手探り状態だった、 日本は主に運用性と拡張性の向上に重点を置いた。

支援迫撃砲『ガンローダー』がその一つ他にも警護用の増加装甲と大型シールドがその一つ他にも大規模な空挺降下用に滑空用飛翔装備の他にも大型ドローンに運搬される特殊兵装が存在した、 一方アメリカ等は日本製の物を元に性能強化に重点を置いた。 その一方でかつてEU加盟国の一つだったドイツは日本の物を元に独自に開発した三輪バギーから変形する小型可変戦車『ドライイェーガー』を開発した。 ただこれはガンランサーには近接戦闘用装備があったがドライイェーガーには無い等の弊害が遭った。 それ以外の国では人員、技術者不足等で開発も思う様に進まずやむ無く日本製の物を購入するしか無かった。

話は戻るがガンランサーを使っての訓練が続いた、

「ターゲットの怪人は現場から逃走する恐れがある為規定時間が存在しますそれを超えると逃走が確実とされ以後捕捉出来なくなる為に時間までに走る様にして下さい」

ナビゲーターA.Iが指定したルートを規定時間以内に指定した場所まで到達した

次にナビゲーターA.Iはつぎの訓練の指示を出した。

「怪人との戦闘は事前に用意した二つの兵装を駆使して排除して下さい」

赤と白に塗られた訓練用ターゲットを攻撃するのみだが、 訓練用ターゲットは左右に移動してしかも訓練用のペイント弾で応戦して来た。 数秒で撃たれた者も居れば回避仕切れた者もいた。 北野世羅のは胴体に2発被弾したが訓練用ターゲットの端に命中弾を当てた。

訓練を初めて数日後の事、 向かい合わせに置かれた二段ベッドの下に滝野世羅は其処で寝て居た。 その向かい側の下のベッドから視線を元感じた。

「...?君か?僕を視ているのは?」

滝野世羅は頭を少し起こした、 一見女の子に見えたかもしれないがこれでも男子、 向かい側にはロングヘアの女子がもの珍しそうに滝野世羅を見ていた。

「何か最初は可愛らしいかったなてっ思ってさ」

「何処の所属だ?」

冷静な口調で質問したら向かいの女性は手で軽く敬礼して答えた、

「私は11月23日にガンローダー隊に入りました。否与呉弐と申します」

「...一週間前に入隊したのか」

そう言って世羅の頭はベッドにもたれた。 「そう言えば入隊理由は何だ?」

眠気で意識がもうろうとし初めてた中でそう世羅は呉弐にそう言った。

「...私の家のアパートで連続窃盗事件が起きて、幾ら被害届けを出しても警察が中々動いてくれなくて私のお父さんが独自に証拠を集めても中々動こうと出来なくて挙げ句の果てに。犯人とおぼしき人をお父さんが暴行をした結果警察に捕まって」

「家族を養うのに君が入ったのか?」

「...そう」

軽く返事をした後、寝てしまった、

翌日。 訓練用ターゲットのペイント弾に被弾せずに命中弾を当てたしかも真ん中近く。 この来た訓練結果からナビゲーターA.Iが一つのメッセージを送った、

『試験に合格しました、当局は戦果を期待します!怪人は滅せよ!人類に栄光アレ』

この日を持って滝野世羅はガンランサー隊の正式なメンバーと成った、

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