(6)
何かがおかしい。
今度は今村君が苦戦している。勇気の力もスピードも、さっきより上がってるようだ。
「お……おい……まさか……」
「ハヌマン」さんが何かに気付いたようだった。
勇気は両腕で今村君の首を締め上げる。
今村君の右手の爪が延び……そして、勇気の「
それでも、勇気は意に介していないようだった。
「ハヌマン」さんが、横から高速移動能力を使って2人に横から突撃。2人を引き離す。
もう既に、子供達を乗せたトラックは、望月君の遠隔操作により動き出していた。
勇気の顔が、トラックの方を向く。
「お……おい……」
「おっちゃん」が「猿丸」さんの猿の方と、「小坊主」さんを見る。
「もう……
そう言いながら「小坊主」さんが首を横に振る。「猿丸」さんの猿の方も、かなりグロッキー気味。
何が起きているのか、あたしには見えない……。
「止めろ‼ トラックを止めろ‼」
「おっちゃん」の悲痛な叫び。
「神保町」の2人の「魔法使い」の表情からして、この馬鹿達にも予想外の事が起きたようだった。
「う……嘘だ……」
荒木田さんが何かに気付いたようだった……。しかし……荒木田さんは、あたしと同じく、「魔力」みたいなモノは感じられないし、「魔法使い」の「使い魔」なんかも見えない筈。それでも、何かに気付いた……。
ちょっと待って……荒木田さんには有って、あたしには無い能力は……。「生命力」の検知……。いや、だから……待って……まさか……。
止まったトラックのコンテナの扉を「おっちゃん」が開ける……。この中で、最も経験豊富な筈の「おっちゃん」の手が……自分で「人を殺すしか能が
……助け出した子供達は、全て死んでいた。
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