第20話 悲しみの出会い少女と別れ少女
「私がガパオ流ムエタイの正統継承者! 一子相伝にして最強のアハ殺拳! 世紀末アハ救世主! タイキック侍少女、真理亜! ガパオの掟は私が守る! アハッ!」
「こんな姉でごめんなさい。」
真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中!
「次は東京町村でござる。」
「ござる、ござる。そうでござる。」
真理亜と楓の大神姉妹は次の目的地まで、野盗や陸にあがった海賊と戦いながらレベルアップしながら、途中のお茶屋さんでお茶と団子食べて回復しながら山の手街道一周の武者修行の旅をしている。
「配役を真面目に決めよう! アハッ!」
「今まで決まっていなかったのが不思議よね。」
それでも上手に回る〇〇少女ワールド・時代劇。アハッ!
「ナレーションまで、アハ笑い!? それでいいのか!?」
「それでいいのだ。アハッ!」
それが〇〇少女ワールド・クオリティー。
「まずヒーローを決めよう。やはり主人公は男と女の二人、必要だわ。」
「男の子にも、女の子にも支持されないとね。アハッ!」
「そう考えるとおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、おかあさん、10代、幼女も必要になる。あと外国人もね。」
「大家族のサザエさんは強いはずだ。アハッ!」
「私のお父さんは慎太郎。母はひばり。兄は一郎。女子高生の私。幼女の楓。おじいちゃんとおばあちゃんがいないわ。」
「この高齢化社会にミスった!?」
人口割合の大きい高齢者を登場させていないのは自殺未遂と同じである。
「決めた! 助さんと格さんは、私のおじいちゃんとおばあちゃんよ!」
「幽霊の設定です。」
救世主様のジョブは、超能力による幽霊使いタイキッカーになった。
「そういえば最近タイキックを使ってないわね。」
戦闘シーンって小説では無理があるので、アニメーション制作会社に頑張ってもらおう。進撃の巨人や鬼滅の刃の様に。アハッ!
「そしておじいちゃんの名前は・・・・・・角栄! おばあちゃんの名前は真紀子。私は救世主の名においておじいちゃんとおばあちゃんを呼び出せるサモナーさんなのだ! アハッ!」
「全ては奇跡を可能にする、アハ神様の慈愛のおかげです。アハッ!」
辻褄合わせは、アハ神様のおかげです。アハッ!
「私は普通の少女だけど、男主人公は若殿にしよう。お坊ちゃま。プリンスよ。しかし、なよっちいの。情けなく、弱虫で、負け犬で。それを私が助けて、将来は結婚して日本国のお姫様に私はなるのだ! アハッ!」
「邪道すぎるわ。お姉ちゃん。」
「アハッ!」
人の価値はお金持ちかどうかで決まるのは、いつの時代も同じである。悲しい。
「若殿の名前は・・・・・・北さんにしよう。本当の名前は北島家の若殿の三郎と思わせておいての北島ジョージよ! アハッ!」
「まさかのハーフ!?」
まさにハイカラさんが行き過ぎるの少尉同様の色白の美少年ジョージの誕生である。
「私はアハ神様に奇跡を見た! 幸せ! アハッ!」
「じゃあ、私はジョージの弟のシュナイダーと恋仲と。アハッ!」
男女のキャラクターを登場させると恋愛モノ、ラブコメモノに早変わりである。それも〇〇少女ワールド・クオリティー。
「助けてください!」
その時、第一東京村人少女が現れた。
「東京村の悪代官が要らない人間を地方にやったり、田舎から美人だけを東京に集めているんです!」
「いつの時代も人買いっているのよね。」
人間は出会いと別れを繰り返すという悲劇的伝説。
「分かりました! 私が偽救世主として、悪代官少女をやっつけましょう!」
「ありがとうございます! 偽救世主様! 真理亜様!」
「アハッ!」
あくまでも世間では真理亜は偽救世主で知れ渡っている。
「頼もう!」
いつもの道場破りスタイルで真理亜たちは代官所にやって来た。
「曲者だ! でやえ! でやえ!」
東京村の悪代官が家臣を大勢呼び出す。
「偽救世主の名において命じる! いでよ! おじいちゃんとおばあちゃん! サイキック・サモナー!」
新必殺技、サイキック・サモナーで亡きおじいちゃんの角栄とおばあちゃんの真紀子を呼び出す。
「おじいちゃん! おばあちゃん! 懲らしめてあげなさい!」
「おお!」
「はい!」
二人とも刀とサイキックの上位種の使い手であった。
「一刀両断! サイキック・スラッシュー!」
おじいちゃんは刀の使い手。
「私のカワイイ孫に近づくんじゃないわよ! サイキック・バラバラ!」
おばあちゃんは超能力の使い手であった。
「ギャアアアアアアー!?」
「一瞬で!? 私の家来が一瞬で全滅したというのか!?」
悪代官の家来は全滅した。
「静まれ! 静まれ! このお方をどなたと心得る! 巷で有名な偽救世主! 真理亜様であらせられるぞ! 頭が高い! 控え! 控え!」
「偽救世主様!?」
「私が偽救世主! 真理亜であるー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
貫禄の自己紹介をする真理亜。
「悪代官! おまえの悪事は全て知っているぞ! 観念してお縄につけ!」
「参りました。お縄を頂戴します。」
「え? いや!? そこは抵抗してもらわないと困るんですけど!?」
「ええー!?」
「問答無用! ガパオ流奥義! トム・ヤム・クン!」
ただのタイキックである。
「ギャアアアアアアー!? 嘘だ!? こんな救世主は偽者だ!? バタッ。」
悪代官は絶命した。
「だから私は偽救世主と言っておろう。アハッ!」
笑って誤魔化す。
「さあ! 次の神田村に向けて出発だ。アハッ!」
笑っていれば何でもできる。偽救世主様御一行の山の手街道武者修行の旅はまだまだ続く。
つづく。
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