第13話 悲しみの亀の頭少女

「お友達になろう! 〇〇少女ワールド! アハッ!」

 真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中!


「次は大崎村でござる。」

「まだ「ござる」を諦めていないのね。」

「諦めないのが私の信条よ。アハッ!」

 真理亜と楓は大崎村を目指している。

「はあ・・・・・・。」

 ため息をつく真理亜。

「どうしたの? お姉ちゃん。」

「田んぼ少女には悪いことを知たわね。同じアハ教徒なのに。」

「大丈夫だよ。五反田少女が言ってたけど、田んぼ少女は田んぼに埋めてあげれば夜には生き返るって。アハッ!」

「なに!? そのイリアちゃんみたいな設定は!?」

 イリアは、ゾンビ少女であり、死んでも夜には生き返る。

「良かった。私、人殺しじゃないのね。アハッ!」

 誰も殺さないのが〇〇少女ワールド・クオリティー。

「少女殺しだけどね。」

「そっちか。アハッ!」

 真理亜は、〇〇少女殺しの称号を手に入れた。

「次の大崎村って・・・・・・何も想像できないんだけど?」

「そこらの茶店や野盗の皆さんに大崎のことを聞いてみよう。」

 真理亜たちは茶店で休憩をしつつ店員さんに大崎村のことを聞いたり、襲い掛かってくる山賊たちをボコボコのフルボッコにして大崎村のことを尋ねてみた。

「そうか! 何もないのが大崎村だ! アハッ!」

 結論にたどり着いた。

「何もない・・・・・・無・・・・・・嫌な予感がするわ!?」

 楓の嫌な予感は、かなり当たる。

「なんじゃこりゃ!?」

 大崎村に着いた真理亜と楓の極悪姉妹。

「村人が亀の頭のマスクを着ている!?」

 そう、大きな先ということで、亀の頭になった。ということで大崎村の人々は亀の頭のマスクを着ているのだ。

「なんという!? 悲劇的伝説だ!?」

 思わずナレーションにツッコム真理亜。

「助けてください!」

 その時、村娘が現れた。

「出たな!? 亀の頭の化け物め!?」

「違います!? 私は人間です!」

「知ってます。」

「知ってるんかい!?」

「アハッ!」

 お約束の展開。

「もしや!? あなたは噂で聞く救世主様では?」

「救世主?」

「はい。「アハッ!」と笑い、渋谷村、恵比寿村、目黒村、五反田村の難事件を解決したという救世主様です!」

「フッ。私も有名になったものだ。アハッ!」

 調子に乗る真理亜。

「その通り! 私がガパオ流ムエタイの正統継承者! 一子相伝にして最強のアハ殺拳! 世紀末アハ救世主とは私のことだ!」

「長い、口上。」

 呆れる楓。

「タイキック侍少女、真理亜とは、私のことだ! に訂正しよう。」

「サイキック侍少女でしょ! お姉ちゃん、少しズレてるよ!」

「アハッ!」

 笑って誤魔化す真理亜。

「この人達は本当に救世主なのかしら!?」

 不安がる亀の頭の大崎少女。

「さあ、困っていることを教えてください。」

「あなたたちで大丈夫なんですか?」

 怪しがる大崎少女。

「え・・・・・・。」

「まさか!? 救世主様を名乗る新手の詐欺!? アハ詐欺ね!?」

「アハ詐欺・・・・・・。」

 呆然自失する真理亜。

「お姉ちゃん!? 大丈夫!?」

 心配する楓。

「私・・・・・・これでも救世主なんですけど・・・・・・。」

 立ち直れない真理亜。

「すいません。姉はおバカなので立ち直るのに少々時間がかかります。代わりに妹の私がお話をお伺いします。」

「良く出来た妹さんだ。」

 こうして話は進んで行く。

「大崎村の悪代官少女がいて、大崎村に何もないから名物を作ろうと言い出したんです。それで思いついたのが亀の頭らしいのですが・・・・・・。」

「気持ちはわかるわ。微妙よね。」

「はい。」

 話し合えば分かり合える。

「いくわよ! お姉ちゃん!」

「詐欺って言われた・・・・・・。」

 まだ立ち直っていない真理亜。

「仕方がない。次期救世主の私が悪代官を懲らしめます!」

「よろしくお願いします!」

 楓が大崎村の悪代官と戦うことになった。

「頼もう! 代官所破りだ!」

 楓は大崎村の代官所にやって来た。

「はい? お嬢ちゃん。ここは子供の来るところじゃないよ。アハハハハハー!」

 代官所の門番少女に子供だと笑われる楓。

「子供だと思って笑ったことを後悔させてやる。」

 楓の心に怒りの火が灯る。

「ふあ~! よく寝た! アハッ!」

 真理亜が目を覚ました。

「あ! 偽救世主様!」

「誰が偽救世主じゃい!? 私は正統な救世主だ!」

 ふと、気づくと楓がいない。

「あれ? 楓は?」

「妹さんは偽救世主様がお昼寝しているので代わりに代官所に殴り込みに行かれました。」

「なんだって!? 楓はまだ7歳だぞ!? そんな子供に一人で行かせたというのか!?」

「なんて妹さん思いの偽救世主様なんだ!?」

「危ない! 早く代官所に行かなければ! 待っていてくれ! 楓!」

「もしかしたら偽救世主様は、本当に救世主様なのかもしれない!?」

 少し真理亜を見直した亀の頭大崎少女。

「こ、これは!?」

 真理亜と大崎少女は代官所に着いた。

「遅かったわね。お姉ちゃん。」

 代官所は粉々に砕け散っていた。

「やはり!? 楓を止めなければ、代官所が壊滅してしまったか!?」

「え!? 危ないのは妹さんじゃなくて、代官所の方ですか!?」

「200連撃を叩き込んだら、一瞬で滅んだわよ。」

 楓は連撃の達人である。

「あ、悪魔だ!? 楓は悪魔幼女だ!?」

「私って、天才なので。アハッ!」

 子供と思ってなめてかかると痛い目に合うのだ。

「やったー! これで恥ずかしい亀の頭マスクを取って自由に暮らせるんだ! ありがとうございます! 救世主様!」

 大崎村は救世主によって自由を取り戻した。

 つづく。

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