「アルメディア嬢。私は貴方にずっと会いたかった。

　貴方を独り占めしたかった。

　そして貴方に触れて・・・ぐふっ」

テキドーラ様が、私を抱く力を強める。

どうしたらいいのこれ。

なんか、怖いこと言っているし、誰か助けて欲しいと思った瞬間。

テキドーラ様の体が私から離れた。苦悶の声とともに。

どうしたものかと、テキドーラ様を見ると顔を両手で押さえて蹲っている。

「えっと・・・。」

これは逃げるチャンスだろうか？

キョロキョロと周りを見回したら、ナギ様の赤い目と視線が合った。

その目が大丈夫？というように私に聞いているように見えた。

もしかして・・・

「ナギ様が助けてくれたの？」

半信半疑で確認すると、小さく「にゃ」と鳴きながら、こくりとナギ様が頷いた。

「助けてくれてありがとうございます。ナギ様」

ナギ様を両手で抱えて、背中をヨシヨシと撫でる。

優しい手触りが私を癒してくれた。

だから気づかなかった。

ナギ様の目がキラリッと煌いたことも、ニヤリと笑みを浮かべたことも。

その爪に赤い血が付着していたことも。

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