青い学校
予州松山
第1話
大きく息を吸い込むと、この愛媛でも冷たい空気が入ってくる。
さあ、あの人は来るだろうか、私との最終面会へ、まあ来ても来なくても結果は変わらないだろうが。2年間通ったこの「コの字型」の校舎これも今日で見納めだ。いや、正確には明日か。鉄階段の軋む音がギシギシと近づいて来る。
「もういいか」
独り言が自然と口から出てくる。夜風が静かに吹いている。私が死んだら私はどうなるのだろうか、悲劇のヒロインかもしくは…
いやそれ以上は私には一切関係ない、全ては神のお気のままに、今日は満月か悲劇にはピッタリだろうなんて考えながらフェンスを乗り越えるとさすがに四階建ての屋上少し怖気付くが、恐怖とは違った。
「早くするといいさ」
「はい、さようなら」
簡単なことだ、一歩大きく踏み出す、あとは重力に身を任せるだけだ。
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