幻の街

長谷嶋たける

あらすじ

唐沢真央は自分には特別恵まれたところがないことに思い悩む、十三歳の普通の女の子である。

 ちょっと冒険をしようと友達に誘われ、塾をサボり男の子との合コンに行ったはいいが親にばれ、激しくしかられる。親は合コンに一緒に行った他の友達の家にも乗り込み、娘との絶縁を申し入れる。


 友達を失い、親にも絶望した真央は家を飛び出し、山の中で一夜を過ごす。

そこで崖崩れに遭い生き埋めとなってしまい、何とか脱出に成功したが、はいだした先は不思議なことをする住人がいる街だった。


 住人達は人間そっくりに作られたヒューマノイドだった。

 彼らは言う、人間は800年前に滅んでおり、自分たちは人間のいなくなった世界で街を作り、いつ彼らが帰ってきてもいいようにこれを守っているのだと。その話を信じられず混乱する真央だったが、街の人は最後の人間の彼女のために、かりそめの家族、かりそめの友人、かりそめのボーイフレンドを用意してくれる。


 真央は帰る方法がわかるまではとこの街、クキシティで生活を始めるが、人間とは違う彼らとの生活に違和感を抱き、不満を爆発させ、ついには引きこもってしまう。だが彼らにも心があると知った彼女は仲直りし、改めてこの街で暮らす決心をする。

 その矢先、人間を滅亡させようとする者たちによって、真央の住んでいる街クキシティは攻撃を受ける。


 真央を守るために、友達が、家族が、そのほかの街の住人が次々と倒れていく。

 全てを失い、その原因が自分にあることに、嫌気が差しつつも彼女は新たに保護してくれる可能性がある強力に武装された別の街、タカツキシティへ追っ手を振り切りつつ旅をする。


 長い旅の末、その街に着く直前、追っ手に捕まり、真央は絶体絶命のピンチをむかえる。

 敵の武装したロボットに、非力な彼女は立ち向かい「殺せるなら殺してみろ」と大きな声で叫ぶ。

 幸い保護を求めようとしたタカツキシティからの救助が間に合い、彼女は九死に一生を得る。


 武装していないクキシティへ帰るのは危険だと説得された真央は、このままタカツキシティで新しい生活を送ることにした。

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