小惑星籠
宮森 悠一
1、ユキ降る地方のとある朝、初床凍り
床よ。
何故お前は家の中なのにも関わらず、自分に都合の悪いものを両親に見つかり寒々しい視線を送られたときの如く、冷たいんだ。床よ。
つるつるではないか。スケートに行きたいとか言い始めた昨日の自分を恨みたい。そういうわけでこの有様というわけではないのだが。
私の住んでいるトコロでは、冬は冬でも極寒の冬となると、床が白く半透明一色となる。それはもうつるつるだ。
力強く踏めばバリバリと音を立てて亀裂が入るし、部屋の端には霜がおりている。あとでカビが生えていそう。
「マフユー、学校に遅刻するよ」
下の階から母親の声がした。いそいそと着替えて、床を華麗に滑る。文句無しの10点満点で、極め付けに滑りすぎてドアノブに脇を殴られた。今年もまた失敗か。
本日二つ目の難関、階段そろり降り一人ガンバロウ大会。これは難なくクリアしてキッチンへ。
朝ごはんを食べて、カバンを持って、さあ登校。
私の地方は、そんな感じの冬の朝が毎年当たり前。
さあて、今日も元気に滑ってこけるぞー!
お題:12月のつるつる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます