プロローグ
最果ての地、とある孤児院。
ホーホーと梟の鳴く声にふと顔を上げた少女は目を見開いた。どうした?と同室の子が聞く。
「声が聞こえたの。“ソコには敵だらけだ。早くこっちにいらっしゃい。”って。」
目を伏せ気味にして少女は語る。
「“敵を全て殺しなさい。あなたは特別なのだから。”そう言っていたの。」
敵?僕たちも?同室の子が聞く。
「ワカラナイ。でも、敵を殺さないと私が死ぬみたいなの。」
1ヶ月が経った満月の日。少女は外に目を見やる。紅い月が少女を照らす。“早くおいでなさい”少女の脳内に声が響く。“此処の神父やシスターは全て敵。あの国の奴等なの。早くおいでなさい。”「しんぷさまとしすたーをころす……」ぽつりとそう呟いた。少女の眼は真紅に染まっていた。
その日、最果ての地の孤児院でシスターと神父が惨殺された。血溜まりの中に目を真紅に染めた少女が無言で立ち尽くしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます