2-6.魔法のiらんどの使い心地

 2021/7/9に、魔法のiらんどに登録しました。過去のイメージでは、魔法のiらんどって結構通好みなコミュニティサイト。しかし、少し前に話題になった通り、今では女性ユーザー向け小説投稿サイトとして、月間10億PVという規模で動き続けています。

 久々に新しい小説投稿サイトに登録したので、感じた色んなことを書き残しておきたいと思います。



●サイトの雰囲気や小説の傾向は女性向けっぽい

 そもそもが「女の子のための小説サイト」ということなので、その通りなのですが。インターフェイスの色味やデザイン、ランキング上位に来ている作品の雰囲気(女性向け恋愛モノ多め)である点からも、女性向けの度合いが強いなと思いました。後述する作品の表紙画像も、女性向け漫画っぽいイラストや雰囲気がおしゃれな画像が多く、「女性が読みたくなる」を意識したものが多いように見えました。



●ジャンル分けが面白い

 ジャンル分けで特徴的だなと思ったところは、「恋愛の分類が細かい」という点。恋愛関連だけでも、こんなにジャンルがあります。


 〇ラブコメ 〇学園LOVE 〇オトナLOVE 〇歪んだ愛

 〇不良LOVE・アウトロー 〇恋愛 〇BL


 ら、LOVE……いや、LOVEなんだけども……。選ぶのに若干勇気がいりますね。

 言語というのは、その文化において重要な要素に関して細かく発展していくもの。だから、このジャンル分けを見れば、魔法のiらんどでいかに恋愛ジャンルが人気なのかがわかります。カクヨムやエブリスタでは、ここまで細かく分けられていなかったように思うので、びっくりしました。


 また、ジャンルに「旅行」や「料理」といった分野があるのも特徴的。魔法のiらんどのジャンルは、女性雑誌の目次みたいな雰囲気にも見えますね。



●視覚的要素のカスタマイズが色々出来る

 投稿作品の表示の色味を設定出来たり、表紙画像を投稿出来たり、カスタマイズ要素が強いところも特徴ですね。挿絵も入れられるっぽい……?

 私は、かつて「2-3.カクヨムは字だけでいいからありがたい」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892430828/episodes/1177354054892435942

でも書いたように美術的センスがないので、カクヨムの「文字だけでどうにかする気概」が好きです。(近況ノートに画像が投稿できるようになった時、いつかカクヨムでも表紙とか挿絵とか入れられるようになるのかな……そ、そうですか……という気持ちになりました)



●文学賞やコンテストの傾向

 レーベルとのコラボで文学賞を多く実施していて、カクヨムで言うカクコンのような文学賞も実施されています。募集の文体も女性読者を意識した内容になっていて、カクコンとの違いを見ていると興味深いです。

 また、定期的に短編作品コンテストを実施しているのも特徴的で、エブリスタの雰囲気を思い出しました。ケータイ小説の名残なんでしょうかね。実際に、エブリスタと同じレーベルの文学賞もありました。



●一番便利だと思ったのは「文学賞応募用のストーリー全容設定」

 小説投稿サイト経由で文学賞に応募する際、地味に厄介なのが「概要欄にあらすじ(結末まで記載)を〇文字以内/以上で書いてね、それ以外のことは書かないでね」という条件。文学賞用だから読み手のことは気にしない、なんて割り切ればいいのですが。そうでない限りは、読者にとってのネタバレが記載されているのは嬉しくないですし、書き手としてもアピールポイントや注意書きをできないのはつらいですよね。

 その点、魔法のiらんどは文学賞に応募する際、応募用のストーリー全容(指定された文字数内で書く概要欄)があって大変助かります。多分、これは読者に見えないと思うので……。この機能、すべてのサイトに搭載してほしいです。



●小説投稿はやや手間

 これは私の好みですが、章・節・本文の登録をするのが結構手間だな……と思いました。本文ページにタイトルを付けられない点や、目次でパッと見て投稿状況(投稿済み/予約済みなど)がわからないとか……。長編投稿の場合はやや厄介だなあと。やはり、ケータイ小説の名残なんでしょうかね。スマホで短めに書きながら更新していく動きを想定しているような気がしました。

 カクヨムのインターフェイスは特にヘルプを見なくても使いやすいですが、魔法のiらんどはちょっと手間がかかりました。慣れれば平気ですが、元々がケータイ小説サイトだったエブリスタと似た使い心地(そして戸惑い)を感じました。カクヨムはカクヨムで使いにくいところはありますが、こればっかりは慣れですね。



●結論:「KADOKAWA版エブリスタ」みたい

 女性向けの度合いが強い小説投稿サイト、恋愛重視、文学賞やコンテストの傾向……などに鑑みて、今のところ私が魔法のiらんどに感じる印象は、「KADOKAWA版エブリスタ」みたい。成り立ちがケータイ小説サイトだったが故の部分と、KADOKAWAらしい企画をグイっと混ぜた感じがしました。

 また、女性向けを想定しているとはいえ、お洒落でシンプル・清潔感のあるインターフェイスは好感が持てます。筆者の性別問わず、「これは女性に読んでほしいな」と思う作品が書けたら、魔法のiらんどに載せるのも手だろうなあと思いました。



 当時、全盛期だった魔法のiらんどは使ったことがなかったのですが、まさかこの令和時代に登録することになるとは。長生きするサイトというのは、本当に強いなあと思った次第です。

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