能力者が存在する世界で楽しく過ごしたいだけなんだよなぁ

羽田!!見ているな!!

プロローグ

世界は平凡だ。生きていれば朝は必ず訪れるし、時間が経てば夜になる。朝になれば学校に行き、夜になれば家で寝る。そうそう、ちゃんと食事とトイレとゲームを忘れるなよ。


そうやってこの世界の人間は平和に暮らしている。笑ったり泣いたり、優しくしたり怒ったり、成功したり失敗したり、産まれたり死んだり。


そんなバカみたいな事を考えながら、

俺、藤水春ふしみずはじめは、いつもの様に通っている高校へ向かう。


俺の通っている高校、実家から結構遠いからね。取り敢えず今は駅のホームで電車待ってる。つーか暇だな。スマホで遊ぶか。………お、ブラックチップからドルケ出て来た。今日は良い日になる予感。


そんな事してると、電車がホームに入って来た。電車に乗る準備をしようと、スマホを鞄に放り込んだ瞬間、電車が跳ねた。ホームにいた人が全員ポカンと口を開けている。


跳ねたせいで脱線した電車が、ホームに車体をぶつけながら前進する。ホームに居た人達はホームと車体が擦れる音で我に返り、悲鳴を上げながら逃げていった。俺?俺は少し電車から距離とってる。


取り敢えず確認したいんじゃ。これが只の事故なのかどうかって。前進していた電車が、ゆっくりと停止する。その瞬間、中から火が出たかと思うと、だんだん大きくなり、車体を包み込んだ。


俺は、どうやって高校の先生に遅刻の言い訳をしようか……とか、今日の晩ごはんはハンバーグだな、帰りにセブンにでも寄るか、てな事を考えてました。そんな事考えてると、目の前の車体の扉が細切れになり、そこから和服を着て、腰に刀をさげた女性と、黒いスーツを着た、黒い肌の男性が出て来た。


取り敢えず言わせてくれ。この世界は平凡だった。生きていれば朝は来るし、夜だってやってくる。だけどな、目の前の奴らみたいなのが出て来てから、平凡じゃなくなった。それと、さっき良い日になるとかほざいたな。訂正しよう。今日は厄日だ。

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