第81話


まあ、旅立つと言っても、プーちゃんの転移魔法で王都までひとっ飛びなんだけどね。

みんなで、プーちゃんの回りに集まる。マーニャも、ネズミのぬいぐるみを抱え込んでプーちゃんにピッタリとくっついている。

結局マーニャはでかける直前まで布団の中からでてこなくて、美味しいご飯とか見せた結果、うにゃうにゃいいながら、なんとか布団の中からでてきた。

やはり食欲には勝てないらしい。

クーニャはミルク見せたら飛んできそうだけど。

ちなみにタマちゃんはこっそりとプーちゃんの背中からマーニャを心配そうな瞳でじぃっと見つめていた。

が、何も言わなかった。


タマちゃん。マーニャと仲良くなりたいんだったら、見てないで「ごめん」とか言わなきゃ・・・。


とは思うんだけれども、私はタマちゃんに警戒されているのか、近づくとタマちゃんは空間を渡ってしまって話しかけることすらままならない。

プーちゃんに頼めばいいんだけれども、プーちゃんはプーちゃんでタマちゃんがマーニャを泣かせたからk、タマちゃんのことを嫌っているようでタマちゃんと話すのは嫌だという。


うん。

タマちゃん自業自得な気配がするよ。


さてさて、出発する前にプーちゃんに乳液を飲ませてみようかな。

女王様からプーちゃんに飲ませるといいって言っていたし。


私は、鞄から乳液を鳥だしプーちゃんに手渡す。


「プーちゃん、飲んで。」


「なんだ?化粧水か・・・?」


「ううん。乳液なの。」


プーちゃんは乳液を受けとると、蓋を開け一気に飲んでしまった。

化粧水で味をしめているからか、抵抗はないらしい。

私は抵抗ありありだけどね。


「・・・どう?」


効果が効果だけに少し心配になる。

が、見た目ではプーちゃんはなにも変わっていないように思える。

ただ、プーちゃんの背中に引っ付いていたタマちゃんがプーちゃんから落ちただけだ。


「うむ。なんともないな。」


「そう、じゃあ行こうか。」


私たちは王都に向けて、プーちゃんの転移の魔法で転移した。


「「「「うわああああああ!!!」」」」


「「「「きゃああああああ!!!!」」」」


転移したのを感じたら、突如人々の悲鳴が聞こえてきた。

転移するときに目を瞑っていたから状況がわからない。

恐る恐る目を開けると、人々が私たちから逃げるように走り去っていた。

そうして、剣や槍を持った兵士に囲まれていた。


そう。プーちゃんは王都に転移したのである。

王都の誰もいないような隅っこに転移したのではなく、人々が王都に入るために並んでいる門の側に転移したのである。

そこには、王都に入る人を検閲している兵士が大勢いるし、王都に入るべく順番を待っている人々も王税いる。

そこにプーちゃんは転移してしまったのである。


プーちゃん・・・。

学習能力って言葉はどこに置いてきたのかな・・・?

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