第6話

 


ピーちゃんという新たな仲間が加わり騒々しさは倍増とまではいかないがかなり増えた。


主に、プーちゃんとピーちゃんがやりあっていることが多い。


ちなみに他の4つの卵はまだ孵化する気配がない。


ピーちゃんが孵化したから近いうちに孵化するとは思うのだけれども。


そして、本日は森へピクニックもとい森へ化粧水の材料を採取しに行くところだ。


人数も増えたことだし、ピーちゃんがヒヨコに乗る練習もしなければならないので丁度いいので森へ散策に行くことにした。


もちろん、マーニャたちやマリアも一緒だ。


しかし、ヒヨコってピヨピヨ歩くイメージがあるので速度的にはとても遅い気がするんだけれども、マーニャたちと同じようにバスケットの中に入れていった方がいいのかな?


 試しに、ピーちゃんにヒヨコに乗ってもらうことにした。


「ピーちゃん、ヒヨコに乗ってみて?」


『おう!』

 

ピーちゃんは、ひょいっと一番近くにいたヒヨコに飛び乗った。


『おお!ふかふかだ!!』

 

ヒヨコの毛並みが予想以上に気に入ったらしい。ヒヨコに乗ってヒヨコの背中に頬擦りをしている。

ヒヨコも体重を感じさせない精霊を乗せる負担はないようでされるがままになっている。


「乗るのは大丈夫そうね。じゃあ、ヒヨコちゃんちょっとそのまま全速力で走ってみて?」


「ピぃ!」


わかったとばかりに、数歩その場で足踏みをするヒヨコ。その足踏みの速度がだんだんと速くなって………。


『ぎぃやぁぁぁぁあああああ!!!』


うん。まあ。ピーちゃんが絶叫するほどの想像以上の速度でした。

体感としては、マーニャたちよりもヒヨコちゃんの方が速く走れるようだ。

しかも、マーニャたちが短距離が得意だが、ヒヨコちゃんは長距離が得意らしい。先ほどから広い畑を何週もしている。

ちなみに、二週を過ぎたあたりからピーちゃんの悲鳴は聞こえなくなった。速度に慣れたのか、放心しているのか。

できれば、前者であってほしいところだ。


『マーニャも!!』


『ヒヨコちゃんに乗るの!』


『速いはやーい!!』


ピーちゃんがヒヨコに乗っている姿をみたマーニャたちは、目をキラキラと輝かせながら可愛くおねだりをしてくる。

乗せてあげたいのはやまやまだけれども………。


「ヒヨコちゃんがマーニャたちの重さに耐えきれないと思うから、プーちゃんで我慢してね。」


『えー!ふわふわに乗りたい!』


『もこもこがいい!』


『プーちゃんゴツゴツなの!』


プーちゃんは不人気だったようである。マーニャたちからブーイングをうけた。


そんなこんなはあったが、なんとか私たちが歩く速度にヒヨコちゃんに合わせてもらうことで、ピーちゃんもヒヨコちゃんに乗っている。

ちなみに、ヒヨコちゃんが全速力で走った際にはピーちゃん失神していたらしい。

ヒヨコちゃんが止まった瞬間にピーちゃんは転がり落ちたし。

なんとか、みんなで仲良く森に来たんだけど………。


「マユ、人が倒れているみたいね。」


「そうね、しかも二人。」


森の入口にはなぜか二人の男女がうつぶせで倒れていた。なぜ、こんな安全な場所で倒れているのだろうか。

疑問に思うが見ちゃったからにはそのままにしておけない。

なんだか、どこかで見たような気がする人たちだが…………。

まさかね。彼らがここにいるわけないし。

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