第5話


マリアがスキルが生えただなんていうから、私は自分のステータスを確認してみた。


「おぉう・・・。確かに美容薬調合のスキルがあるよ。レベル1だけど」


「やっぱり。マユだからそうだと思った」


マリアは「はぁ」とため息をついた。

ため息つかなくてもいいと思うんだけど。

しかし、こんなに簡単にスキルが増えるものなのだろうか。


「普通はこんなにパカパカとスキルが増えたりしないわよ」


すると、私の思考を読んだかのようにマリアが答えてきた。

そういえば、マリアは人の考えていることが読めるんだった。

今さらながらに思い出す。


『それよりぃ~、オークションに出品するならぁ~王都でやるオークション会場でぇ~見学できたりするんだけどぉ~行くぅ~?』


おっと、そう言えばまだ鑑定士さんとお話中だった。

自分の作った化粧水がオークションにかけられるのを見ることができるらしい。

お金持ちの貴族や商人が参加するのでそれは盛り上がるらしい。

見学してみたい気もする。

でも・・・。


「見学したいけど、王都までの旅費がないので遠慮しておきます」


ボーニャと作った化粧水だからオークションの様子をみたいけど、そもそも旅費がないので無理だ。

片道5万ニャールドはかかるということだし。王都で宿泊するようならさらにお金がかさむし。


『そぉ~?まあ、旅費も宿泊費も出品者持ちだからねぇ~。んじゃあ~映像と音声の中継はどうするぅ~?これは無料だよぉ~』


映像と音声?

テレビみたいなものかな?


「映像と音声って?」


「ああ、てれびっていう魔道具があるのよ。それを使ってオークションの状況を見ることができるの」


「テレビ!?」


こっちの世界でもテレビってあるんだ。

私の家にはないみたいだけど。

もしかして、テレビってマコトさんが作成した魔道具なのかしら?


「そう、テレビ。この村には村長の家かリュリュの家くらいにしかないわね。でも、記念に見せてもらえるか交渉してみましょうか」


マリアはそう言って、黙り混んでしまった。どうやら念話で誰かと話しているようだ。

時々、口が小さく動いている。

しばらくして、念話が終了したようだ。


「村長が見せてくれるってさ」


と教えてくれた。

どうやら村長と話していたようだ。


『じゃあ~中継見るってことでいい~?』


「ええ。見たいわ。いつやるの?」


『ん~二日後ぉ~。お昼からだよぉ~。村長さんのテレビからアクセスできるようにしておくねぇ~』


二日後、村長さんの家でオークションの中継を見ることになった。

折角だから、マーニャとボーニャとクーニャも村長さんの家に連れていこう。

このオークションで一波乱起きることになるのだけれども、今はまだ私は知るよしもなかった。


「さて、マユ。化粧水がどうして飲めるようになったか検証してみない?」


マリアがすごくいい笑顔をしている。これは、断れない雰囲気だ。

やはりマリアも女の子ってことで、化粧水には興味があるのかな?


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