第71話
森に行けば食材が採れるのかぁ。何が採れるのかな。
でも、森って危なくはないのかな?
「何が採れるかは楽しみにしててね。でも、今日はもう無理かなぁ。行くなら朝からお弁当を持って行くといいわよ。午後からだとすぐに暗くなっちゃうから。よければ明日、行こうか?」
今日はもう遅いのか・・・。今日の夕飯と明日の朝はアンさんのパンかなぁ。
お弁当も作らなきゃいけないのかぁ。パンにしちゃおうっかなぁ。
「そうだね、明日行ってみようか。道案内をお願いしてもいい?」
「もちろんよ!まかせて」
そう言って、マリアはにっこりと笑った。それから、「ああ、そう言えば・・・」とマリアが思い出したように告げた。
「化粧水を作るには錬金釜が必要なのよ。今後定期的に作るなら錬金釜を買った方がいいわ」
「化粧水を作るには道具が必要なのね。錬金釜っていくらくらいするの?」
私の資金でも買えるのかしら。売ってるとしたらリュリュさんのところかなぁ。
「錬金釜も価格の幅は広いわ。安いものだと5000ニャールドくらいで売っているの。でも一回に作れる量が5個くらいだし、作成に3日かかるわ。高いものだと10万ニャールドするものもあるわ。こちらは、一回に10個作れて3時間で作成できるの。村にはこのレベルのものまでしか取り扱っていないけど、王都に行けば数百万ニャールドの錬金釜もあるのよ」
「へぇ~。性能がいろいろなのね」
「そうね。個人で使用するのであれば一番安いので十分ね。だけど、錬金釜で作成したものを売って商売をするのならば最低でも10万ニャールドの錬金釜がいくつかあった方がいいわ」
なるほどねぇ。でも、今のところ化粧水を作って売ることは考えていないから一番安い錬金釜でよさそうね。
「錬金釜ってどこで購入できるの?」
リュリュさんのところかなぁとか思いつつも一応マリアに確認してみる。
明日薬草を採りにいくのであれば今日の内に入手したいな。それで、明日帰って来てから早速化粧水を作りたい。
もう、日本からもってきた化粧水もなくなってしまいそうだし。作成するのに3日もかかるのであれば早めに作った方がいいだろう。
上手くできればいいんだけど・・・。
「ソフィアさんのところで購入できるよ。ああ、ソフィアさんっていうのはこの村唯一の薬師なの。錬金釜は薬師の特権だからそこで購入できるわ。でも、錬金釜って一年に数個売れるくらいだってソフィアさん言っていたから取り寄せになる可能性もあるわ」
「そうなんだ。取り寄せになる可能性があるならこれから行ってみてもいいかな?」
今日はこれから特にやることないし。マリアさえよければソフィアさんの店を教えてもらいたい。
「もちろんいいよ。じゃあ、食べ終わったら一緒に行こう」
「ありがとう。そういえば、ソフィアさんって薬師なんだよね?化粧水は販売していないの?」
「美容調合のスキル持ってないからねぇ。調合スキルは持っているから薬は売っているんだけど、化粧水は売っていないのよ」
残念。
森に行かなくても買えるかと思ったけど、無理だったみたい。
私たちは食堂を後にして、ソフィアさんの薬屋に向かうことにした。
マーニャたちはサラさんに貰ったバスケットの中に入っている。
お腹いっぱいになったのか丁度眠っているところだ。
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