第3話
「大丈夫だってよくあることだから」私は思わず呟く
よくあること、というのも。
昔むかしから口伝されてきた神隠しは異世界転生のこと。
おどろおどろしい妖怪の類は異世界とこの世界を繋ぐ時にうっかり一緒に飛んできてしまったモンスターである。ということがこの世界の常識だからだ。
「異世界の扉から間違って飛び出てきてしまったモンスター」なんてそれだけで勇者が必要なおいしい場面をひとつ作れそうになるが、
残念なことに大抵は序盤の街にいるような雑魚モンスターどもなのでゴキブリジェットで誰でも撃退可能だ。
ゴキジェットは強い。魔物も現代日本の文明利器には敵わないということだ。そしてこの日本という国において頭文字Gがどれほど忌み嫌われ、恐れられているのかという証明でもある。あいつら水にも浮くんだぜ!?すごくね!?
いかんいかん話がそれた。ゴキブリの凄さについて長々と語ってしまうところだった。
今考えなければいけないのはこの小人の処遇である
彼は一見するとその大きさ以外は特に特徴はないように思える。服もいかにも、な奴をきてるしな。序盤の街出身だろう。そして、
極めて稀なことにこの世界に異世界転生してきたのだろう。
それより不思議なことに、さっきの彼の叫び声を聞いたのは私1人のように思えるのだ。
その証拠にみな授業に、もしくは睡眠に集中している
「おーい大丈夫か。」そう語りかけた声は霧散した。
でも小人にはしっかり届いたようだった。
ピクピクと顔をこわばらせながら起き上がった小人は、私の方を向く
「これは一体どうなってるんだ?」
「それはこっちが聞きたいね。どうして君に話す時だけ音が消えるのか、それでもきみとコンタクトが取れるのか。そもそもなぜ小人が異世界転生してくるんだ?」
「わたしは小人などではない!わたしの名前はエドワード、エドと呼んでくれ。」
「それじゃあ私も自己紹介をば。光希といいます。よろしく」
異世界転生してった隣の席のやつの代わりに飛ばされてきたとかいう村人Aが俺の隣にいるんだが 知世 @nanako1123
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