自分の声が聴けない
皆さんもそうかもしれませんが、私も自分の声があまり好きではない。
こうなりたいと言う自分のイメージと実際の自分の声に、あまりにもギャップがありすぎるような気がするからだ。
もう少し具体的に書いてみると、こう見えて自分は、クールな一方、さばさばしたところもある男っぽい人間だと思っている、いやそうありたいのだが、そのイメージと、女性らしい高い声が、どうも合っていないような気がしてならないのだ。
ツイキャスを配信していて、自分は邦楽ロックが好きだとか、学生時代はアジカンやエルレなどをよく聞いていたとか、寮の仲間とバンドを組んでいたとか話をすると、
「えーひかさんロック好きなんですか?」とか、
「ひかさんアジカンとか聞くんだー」とか、
「えーバンドやってたの?」とか、
「へえ意外!そう言うイメージ無い」と言われることが大変多い。
どうも私の声は、バンドやロックと言う物とは結び付かないらしいのだ。
そう言えば、以前ネット関係で知り合った友人と初めて会った際、その友人から、
「羽田さんって書いている文章からボーイッシュな声を創造していたけど、会ったらかわいい声だったからびっくりした」
と言われた時は、正直とても複雑だった。私はロック好きで、クールでボーイッシュな女性でいたいと思っているのに、この高くてかわいいと言われやすい声のせいで、なりたいと思う自分になかなか近づけないでいるのだ。
ちなみに「かわいい」と言われることも、私はあまり好きではない。どちらかと言えば「かっこいい」って言われる方がありがたいと思っている。
そんなわけで、自分の声が好きではないので、録音した声を聞くと言うのもとても苦手だ。
今年の3月の終わりに、とあるイベントで友人が披露する朗読劇にちょこっとだけ出演させてもらう機会があった。
友人を含めた他の出演者は埼玉や神奈川方面、私は静岡と、住んでいる場所が遠距離と言うことで、練習は「ズーム」と言う通話アプリを使って行ったのだが、その一環で録音したばかりの自分たちの練習音源を聞いてみようと言うことになった。
まじかと思った。さきほども書いたように、私は自分の声や、それを聞く行為がとても苦手である。練習とは言え嫌な物は嫌なのだ。
と言うわけで、音源の中で自分のセリフが出てきたら、その部分だけイヤフォンを外して聞いていたのだった。今だから言える話。
また先日もとあるスカイプグループのイベントに、この二つ前に載せたエッセイ「よく分からない夢」を読んだ物を出した。
するとグループのオーナーさんから、
「この前送ってくれた音源を編集したからこれでいいか聞いてみてくれる?」
と言うようなチャットをもらった。
思い切って添付されているリンクをクリックしてみると、聞こえてきたのは当然自分の声・・・。
たった数秒で止めてしまった。何度も言うが、自分の声を聞くことは、死ぬほど苦痛なのだ。
結局全部聞いたと言うことにしておいて、そのままイベントに出してしまった。その音源データは今でも私のアイポッドタッチの中に封印されている。
自分の声が聴けない私だが、それでもじつはラジオパーソナリティと言う仕事には大変興味を持っている。
もしもこの先ラジオパーソナリティをさせていただけるような機会があったら、自分の声が聴けないのはとても致命的なことだろう。
その時までに、自分の声を聴くことにも慣れておかないとなあ、と密に思っているのだった。
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