犯罪者狩りカップルのまったりゆったりスローライフ
みーにゃ
プロローグ
前書き失礼します。
初めまして、みーにゃです。
更新安定しないかもしれませんが読んでくれると嬉しいです。
――――――――――――――――――――
がちゃがちゃと金属がこすれ合う音があたりに響いている。
ここは、とあるVRゲームのとあるフィールドで、周囲には荒廃した砂漠と廃墟群が立ち並んでいる。
「おい、さっさとやるぞ。最近妙なやつが目を光らせてるみたいだからな」
「あいよ。でもま、俺らも妙なやつらって言われても文句は言えねぇけどな」
「ははっ、違いねえ」
のんきにこんな会話をしているのはPK集団の二人組。まだまだ下っ端なこともあってか警戒心が薄い。
そんな二人の足元には猿轡をされ、手足を縛られた一人の男性プレイヤーが転がっていた。
…断じてそういうプレイなどではないのでご安心いただきたい。
「んーーっ、んーーっ!」
「うるせえなあ、すぐ楽にしてやるからそう急かすなよ」
二人組の男の一人が拳銃を取り出し、発砲しようと引き金を引こうとした瞬間、突然男の腕が吹き飛んだ。
「がっ…!?」
「なんだ、どうし…」
異変に気づいたもう一人の男が言葉を言い終わるより早く、彼のHPは全損した。
「なにか、言い遺すことは?」
片方の腕を吹き飛ばされたほうの男の首元には鈍色のナイフが突きつけられていた。
全身を黒いローブで覆った、声からして男であろうプレイヤーが彼の生死を握っていた。
しかも、さっき彼の腕を吹き飛ばしたことから考えると、狙撃手(スナイパー)が仲間にいるのだろう。
つまり、下手な動きを見せれば黒ローブの男に殺されるし、もし彼の拘束から脱せたとしても仲間のスナイパーに狙撃されるのがオチだろう。
「あんたの、名前は…?」
「ハユキ。そう言えばわかるだろう?」
ハユキ、だと…!?
彼の胸中が驚愕で染まるのとほぼ同時に、彼の首はハユキの手に持ったナイフによって切り裂かれ、そのまま彼のHPは全損した。
「ふう…。みゆ、お疲れさま。今日はもうこれで終わりにしよう」
「はーい。お疲れさま、ゆきくん」
みゆと呼ばれた少女はいつの間に移動したのか彼の隣にピョンと移動すると、そのままの勢いで彼の腕に抱きついた。
「お、おい…」
「いーじゃん別に。今は他に誰もいないよ?」
「まあ、そうだけどさ」
「………」
どうしよう、この状況じゃなにも言い出せない…。
結局二人は、彼の存在に気づくことなく帰路についてしまった。
なんというか、抜けている二人である。
「俺、どうすればいいの…?」
男の言葉は砂埃と一緒に虚しく宙に消えていった――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます