第2話 姫と呼んで

 ここは有坂 姫乃の高級マンションだ。


 さすが令和 初の年収 一億円越えセクシー女王クイーンだ。

 豪華絢爛、まるでホテルのスイートルームみたいだ。僕の住む四畳半のオンボロアパートとは雲泥の差だ。


 何しろ僕は売れない三流エロ漫画家、野呂一平。年収も彼女の百分の一くらいしかない。


 どうして、その売れない三流漫画家がセクシー女王クイーン有坂 姫乃の部屋に招待まねかれたかと言えば、つい先ほど収録したラジオの対談があったからだ。


 彼女は週一でラジオのパーソナリティーをしていた。そのゲストで僕が呼ばれ対談が実現した。


 しかもオファーしてきたのは、彼女の方からだった。


 何と彼女が僕の漫画のファンだと言うからビックリだ。デビュー当時からのファンだと言う。

 その帰り道、彼女からがあった。


「ねぇ、一平……❗❗

 ご飯、一緒に食べてェ……👄✨💕」

「ハッ、ハイ……😳💦💦💦」

 もちろん『右手の恋人』の彼女からの誘いを僕の方から断る理由もない。


 そして、いきなり彼女の部屋へまねかれ手料理をいただく事になった。

 まさに夢のような出来事だ。


「あ、あの……、有坂さん……」

 僕は緊張で用意された晩御飯の味もよく解らない。

 

「フフ、有坂さんなんて呼ばないで……」

「え……❓ な、何て呼べば……」


「姫ッて、呼んで……👄✨💕」

「は、ハイ…、ひ、姫ですか……😳💦💦💦」

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