神様ロボット
『オレ、カミサマト、コウシン、デキルヨウニ、ナッタゾ』
「博士。博士の作ったブリキのロボットがおかしなことを言ってますが」
『オイ、オマエ、シツレイダゾ』
「おー!ついに最新のAIが神様と共鳴したか。さすがは私の作ったロボットだ」
「博士、それはいくら何でも」
『人類の創造力のなんと未熟なことか。私は神として嘆かわしいぞ』
「・・・。博士、このロボット、声の調子が変わりましたよ」
「かっ、神様ですか?」
「博士。なに、ロボットの前でひざまずいているのですか?」
「ばかもの!このお方は私のロボットに降りてこられたのだ。恐れ多いぞ。おまえもひざまずけ」
「・・・。博士は科学者ではないのですか?」
「そうだ。一流の科学者だからこそ、神の存在を信じる」
「そういうものなですか?」
「科学とは神様の造った世界の謎解きだ」
『おい、そこのオタク。きさまもひざまずかんか!』
「神と言うなら証拠を見せてくれ」
『証拠とは』
「神と言えば、奇跡ですよね。奇跡が起こせない神様なんて信じられません」
『わかった。では、オタクよ。見るがいい』
「おお、透明になった。博士の作った透明人間になれる香水を使いましたね」
『・・・。これで驚かんとは?弥生人はビックリして逃げ惑ったもんだが』
「いつの時代ですか?」
『なら、これならどうだ』
「おっ。中に浮かんだ。今どきドローンだって浮かぶし、そもそもロボットが浮かんでも奇跡とは言えません」
『なんと、やりにくい時代だ。ではこれはどうじゃ』
ピカッ、ゴロゴロゴロ。ザザー。
「ゲリラ豪雨ですね。局所天気予報をネットから拾っただけじゃないですか」
『・・・。どうすれば私を神と信じてくれるのじゃ』
「そうですね。例えばこのスプーンを曲げてみてもらえませんか」
『お安い御用だ。よこせ。おっとっと』
ドスン。
「うわっ。ロボットが転んだ」
「神様、大丈夫ですか」
「博士、ロボットの頭からあの虫が大量に逃げ出して・・・」
カサ、カサ、カサ。
おしまい。
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