溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を 番外編
蝶野ともえ
プロローグ
プロローグ
花のように笑う人だと思った。
彼女の笑顔は、人を惹き付ける力がある。
きっとそんな彼女と話したくて、お店に行く人も多いのだろう。
その花屋は通る度に、お客が店先や店内にいた。もちろん、女性客も居たが男性客が多かった。
そんな客達を羨ましいと思いながらも、見つめていた。
俺は、彼女に挨拶をしてもらうのだけが、毎日の楽しみになっていた。
そんな彼女は、いつの間にかその花屋からいなくなっていたのだ。
結婚でもして辞めてしまったのだろうか。
何も始まっていない恋だったのに、失恋をしたかのようにショックを受けてしまっていた。
けれど、その後にあの事件があり、彼女の事を考える事はなくなっていた。
それどころか、復讐の死ぬことさえ考えていた。
そんな時に、また彼女と再会をした。
また一方的なものだけれど、すぐにまた恋をした。花を手向けて祈る姿は、とても美しかったのだ。
死ぬ前に、彼女と話してみたい、恋人になりたい………そして、自分の結婚相手になって欲しい。
そんな自分勝手な気持ちが頭を過ったのだ。
甘い夢は、考えれば考えるほど叶えたくなり。とうとう、彼女に声を掛けてしまった。
死ぬのを前提とした、契約での結婚。
彼女には沢山嘘をついていた。
だから、その分死ぬまでは彼女を守って、幸せにしたいと思った。
こんな最低な男に彼女は少しずつ心を開いて、好きだと言ってくれた。
本当の夫婦になり、2人は深く深く繋がった。
そして、俺を助けてくれた。
今では、隣りでニッコリと笑ってくれる彼女が毎日居てくれる。
そんな暮らしがたまらなく幸せで、生きている喜びを感じているのだ。
出会った時から恋をして、今では夫婦になれたのは奇跡かもしれない。
けれど、この繋がりを死んでも離したくはないのだ。
それぐらいに、彼女が大切で愛しい人。
お互いに守り合っていこうと誓ったあの日から、俺の願いは変わらない。
2人で笑顔で生きていく。
ただ、それだけが俺の願いで、それを守りぬくと誓ったのだ。
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