小説の設定に使う為の小話
新車購入
「やあ姉貴、いきなり呼び出されたけど、今日は何するんだい?」
「セナ、今まで晶君が大切にしていた物は何でしょう? 今日はそれを買いに行きます」
晶が大切にしていた物? なんだろう? 車かなぁ……。
「正解は、セナの新しい車を購入するよ」
「僕が新しい乗り物を必要としていると思うかい? 不要だよ、カブ達があるからね。晶の車使えば大きい荷物だって運べるからね」
姉貴の会社での僕は役員階級を持っているし、他の役員達は確かに高級車乗りまわしてる。
「必要だよ? セナにも部下を持ってもらう事にもなるから、飾りじゃなくなる事になるし?」
「は? 僕が部下を持つって何?」
うちの姉貴はとうとうボケたのか? それとも、僕をなんかのドッキリに嵌めたいのかな?
「お? セナが珍しく混乱しているね……?」
「そりゃあそうだろうよ、姉貴。ボケた? お飾りに部下を持たせるって本気?」
「これはまた直球に聞くねぇ」
「まぁ、僕に部下を持たせようと思っているなら僕も車買いますかね。いやさ、欲しい車は目星付けていたんだけどね? 必要ないと思っていたから買わなかったんだ」
果たして会社名義で買うか、僕個人名義で買うか、そこが悩み所。社用で使う事が増えるならば、会社名義でもいいと思うんだけどね。
「あ、車両購入費用は会社持ちにしてあげる。名義はセナの名前か晶君でいいと思うよ。
「ありがたいね、良いのかい?」
「良いの良いの、じゃあ、ディーラー行こうか」
姉貴の運転でディーラーに行って、契約と一括で支払いを済ませて、車種を選んだときに姉貴が驚いていたのが気になった。
「姉貴、なんか僕が選んだ車種で驚いていたけども、一体どうしたんだい?」
「この前ね、同じく晶君に車買わせたんだよ」
「おや? 晶もとうとう車を買い替えたんだ、それで何故姉貴が驚く事になるんだい?」
「晶君が指定して、購入した車はね、Audi A8なんだ。セナが契約したのは?」
「僕が契約したのはAudi S8だね。あぁ、そうか同ブランド別車種だから驚いたのか」
「そういう事、仲いい事はいい事だけど、仲良過ぎじゃないかな?」
姉貴達も仲良し夫婦なんだから、別に構わんと思うんだけどなぁ……。
「というか、うちの家にAudiが二台並ぶって事だよね? 威圧感半端なさそう。僕なら近づきたくないよそんな家」
「これで、セナもうちの会社に貢献できるよ!」
「お飾りの役員から卒業か、頑張りますかね。姉貴、いつ僕に部下を付ける気なんだい?」
「まぁ、暫くしたらまた呼び出すから、その時はよろしくね?」
「姉貴の事だ、忘れたころに言ってきそうで今から怖いよ」
「仕方ない、お姉ちゃんだって社長業が忙しいからね」
実際にアイドル二人を僕の部下にするとは思わなかったけど、僕が今回購入した車を使う事は本当に暫く来ることがなかった。
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