第563話 3人の秘書

「ええと、今後どうする?3人いるからな。誰か一人休んでもよさそうだが・・・・」

俺が提案すると、意外な事に全員否定。

「何を言うておるのじゃ!遅れた分、取り返さねば成らぬのじゃ!それに我はシモンにずっとくっついておるぞ!もう放さぬのじゃ!」

そう言って俺の左の腰に巻きついてくる。

「あら?レシティアさんは士門さんと結ばれたい?」

ミルテがそう尋ねると

「む!其方ミルテ嬢か!このような取り計らい、礼を言おう!そしての、その答えじゃが、無論”いえす”なのじゃ!だが・・・・まだ我の実年齢がシモン的に”あうと”らしくての。それまで我慢なのじゃ!」

「そうなのね。ええと一応私は第一秘書でいいのかしら?」

「何じゃ数で決めるのか?」

「正式な秘書になった順番だ。私が最初に秘書になった。そしてこのクシー。最後がレシティア嬢だね。出会った順番は逆らしいが、それは旦那さまの考える事。」

「む。じゃが別にその番号に意味はないのじゃな?」

「単に順番。役割に影響はないね。どうする?レシティア嬢はずっと旦那さまに張り付く?」

「いいのか?」

「別にかまわないよ。ただ、レシティア嬢の方が色々交渉にたけてそうだと思ったから、その方がいい気はするけどね。」

ミルテとレシティアの話し合いが続く。

我関せず?蚊帳の外?クシーさんは自身では決めないようだ。


「むむ!そうじゃな・・・・じゃあ士門!どうすればいい?」

どうしたらと言ってもな・・・・

「よし、数日交代でそれぞれ3人の役割をやってみたらどうだ?意外と考えてなかった方面に適応があるかもしれんしな。」

俺は無難な答えを出す。

「それもそうじゃの。む、ソチはどうなのじゃ?一言も喋らんが・・・・クシー嬢じゃったか?」

「ええ、レシティア様。私は言われた事を実行するまで。お任せいたしますわ。」

「・・・・わかったのじゃ!ではミルテ嬢と我で決めるのじゃ!」

その後2人は熱い議論?を展開し・・・・


そして出た結論が・・・・

「一日毎にチェンジなのじゃ!」

だそうな。

ちなみにその一日とはレシティアとミルテ。

クシーさんは実際には足として色々動く事になる・・・・らしい。

大丈夫か?

「問題ありませんマスター。現在の常識、知識、共にインプット済み。ギルドでの講習も終わり、万全の体制です。因みにギルドへは数か月間職員として研修させて頂いておりました。イベッテ様の御計らいです。」


そうだったのか。知らなかったな。


まあ何はともあれ、今後は俺の身の回りに常にこの3人がいる事になるんだな。

「無論風呂も一緒なのじゃ!寝所は、妻がおろう故我はシモンと結婚するまでは遠慮するが・・・・それ以外は一緒なのじゃ!」


それにしても、10歳の時からか?レシティアは俺一筋・・・・本当にいいのか?

「なあレシティア、君の好意は嬉しい。だがそれでいいのか?もっと他の男との付き合いも必要ではないのか?」

「必要ないのじゃ!我はシモン一筋なのじゃ!それにシモン以上の男がおるとは思えぬ!」


こんな少女が俺に一途とか・・・・

大事にしてあげないといけないな。

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