第508話 一言で言えば、滑り台?

帝国の兵が登ってくるのは、一言で言えば滑り台?

遊具の滑り台、あれの幅を滅茶苦茶大きくして、距離も、ものすごい奴。


中々の勢いの滑り台を、ひたすら100メートルとか登ったらどうなるだろうか?皆さん想像してみてほしい。


俺だったら、10メートルも進まないうちにリタイアする自信があるぞ?


え?10メートルぐらい楽勝だって?


普通3メートルぐらいだろう?


しかも両手を滑り台の端を掴んで登れる。

だけど、今回のは、何も持ち手のない所を、登り続けないといけない。


床は滅茶苦茶滑る。結構急勾配の坂。凄い悪意を感じる造りだ。

まあ、俺がミシェレに頼んで作ってもらったんだが。


因みに子供たちは、結構喜んで滑ったいたらしい。


見ていると、時々足元を掬われたかのように、滑り落ちていく兵士がいる。

当然その兵士の後方を登っている兵たちは、避ける事も出来ず、巻き添えを食らって、一緒になって滑っていく。


だがしかし・・・・しかしまあ、よく登り切ったもんだ。

感心してしまう。


あ、そうそう、結局敵さんも、魔法の力で乗り切ったようだ。魔法の力で後押しし、ごり押しで進んだ感じ。


まあ、これはあくまで足止めの一つ。


登ったら下るよな?


こちらはもっと、えげつない感じになっている。


矢張りツルツルの床なのだが、ある程度ごとに溝がある。

足がすっぽり入ってしまうほどの幅で、深さは・・・・・深い。はまり込めば、足がすっぽりだ。

そうじゃないのもある。足首ほどのや、脛まで、太ももまで。深さはまちまち。


ある程度滑ってしまってそこにはまり込む。当然・・・・はまったら、折れてしまう。運悪く頭から滑ってしまったら・・・・そして頭がはまればご臨終だ。


そして、只はまるのではなく、突起物が穴のそこかしこに仕込んでるので、刺さる。


そう言った兵がそこかしこでうめいてる。


足をやられた兵ほど、足手まといはない。


こうして敵をどんどん減らしていく。


しかし・・・・何でこんな馬鹿正直に進んでくるんだ?それにあの2人組が見当たらない。


うーん・・・・別行動?

さらに言うなら、これは大規模なおとり?


こんなバカな囮があるもんかと思うほど、凄い兵力だからな。


そして、俺は船と神獣”ジズ”ことヨハンに上空からの監視をしてもらっている。


船は何故かホムンクシーさんと、操作の慣れているロンダーヴだ。


「まあ、ボクが見逃すわけないだろう?」


と自信たっぷりだった。


「魔力の乱れを主に探ってこよう。」


流石はヨハンだ。


魔力の変化を探してくれるようだ。



暫くたってから・・・・ほぼ同時にヨハンと、ロンダーヴから連絡が来た。

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