第507話 攻めてきた

ダミアンからの一報が届いた。


勿論、ゲートで、だ。


もうボースマ王国を突破、その勢いは驚くほどのスピードで、魔法で移動しているのでは?との事だった。

しかも歩兵だ。


翌日、もうクチタ領と公国の国境付近までやってきているとの報告があり、もう時間がないじゃないか・・・・


あんまりアイテム作れなかったぞ?


仕方ない。このまま行きますか。


今回の作戦のうち、一番大事なのはアウグスティンがどのように動くか、だ。


目の前の帝国兵は、どうにかなる。

負けない自信はある。


だが、今回追い返して、それで終わるのか?否、終わらないだろう。

また、攻めてくるだろう。


こんなのを繰り返すのか?勘弁願いたい。

じゃあ、指揮してる奴を始末する?


それで終ればいいが、何か対策をしてるだろう。


では、何をすれば?


パールメース帝国の国民だ。

民を味方につけなければ、どうにもならないだろう。


そうするにはどうすれば?


危険を承知で、アウグスティンにパールメース帝国奥深くへ行ってもらい、民に語ってもらうのだ、事の真実を。


なので、今回パールメース帝国の主力には、クチタ領に来てもらい、足止めをするつもりだ。


そして、あわよくば、先導してる2人を捕縛、無力化。


まあ、思っているうちのいくつかができれば御の字だとは思うが、どうなる事やら。


さて、バルトサールにクチタ領の兵を率いてもらい、見かけだけだが、相手をしてもらおう。


「宜しいのですかな?彼らは兵士ではありませぬが。」


「いいんだよ。人数合わせだし、いざ戦闘になれば、自らの命のみ護ってもらうつもりだ。まあ、俺の渡したアイテムがあれば、命に係わる怪我はしないだろうし。」


「わかりました。魔法部隊・・・・とでも申しましょうか、準備は終わっております。」


「じゃあ始めようか。あ、もう、領内には入ってるんだよな?」


「間違いなく。」


・・・・

・・・

・・



先ずは落とし穴からだ。


道に、いかにも落とし穴だと言わんばかりの穴を、用意してある。避けると思ったが、穴に自ら落ちる兵。


おいおい、またかよ。

それしかないのか?


だが・・・・無駄にパールメース帝国の兵士が死ぬのも忍びない。それとも既に死んでいるのか?


次に、坂を用意した。最短距離で来るなら登るしかない。で、坂の周りは壁ですでに囲ってある。それを迂回しようと思えば・・・・相当遠回りになる。


で、馬鹿の一つ覚えのように、坂を上ってくる。

言っとくが、普通の装備じゃ登れないぜ?なにせ床は鏡面仕上げ。

つるっつるだ。いかんせんよく滑る。それに、硬い。

鋼の剣で床を突いても、びくともしない。


少し登っては滑り、前に進めない。


まあ、これは時間稼ぎ、ミシェレの壁が完成するのに、なるべく敵を一か所に集めておきたいから、こんな事をやってる。


上手くいくのか?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る